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プチSM千夜一夜ものがたり第69夜「恭子さん」第二部 羽黒健三編②

恭子さん
 ナースをやってるボクの妻恭子さんは、5歳も年上だが美形でスタイル抜群、おまけに失職してブラブラ過ごしているボクなのに、優しく接してくれる女神のような女性だ。そんな恭子さんの唯一の欠点は、人並み外れてエッチが好きな事。なのにまだ子供が出来ないのは、ボクの方に大きな責任が。あの手この手でエッチに励むボク達だけど、ある日恭子さんがSMプレイをやってみようと誘って来て・・・実はブラックな話なので、要注意。(約22万字)


プチSM千夜一夜ものがたり 第4期 目次




【主要登場人物紹介】
♀山田恭子・・・30歳。達也の妻。細川病院の副看護師長。長身色白美形の上、誰からも愛される明るくて優しい女性だが、性欲過剰気味なのが玉に瑕。年下の夫を熱愛している。
♂山田達也・・・25歳。恭子の夫。中学校の数学教師だったが、人間関係のもつれから退職に追い込まれ現在無職。頭は良いが内向的で人付き合いが大の苦手。全てにおいて自信喪失気味。
♂羽黒健三・・・年齢不詳。山田家の隣に一人で暮らし、町内会長をしているが働いている様子はない。以前達也が常連だった、いかがわしいアダルトグッズも扱っている古書店を経営していたらしい。
♂細川守男・・・32歳。細川病院の跡取り息子で現在副院長。恭子を見初めて副師長にまで出世させ言い寄ったが、達也と交際中だったので袖にされ、親が勧める相手と結婚した。一見クールなインテリ風だが・・・

♀成本久美・・・37歳独身。細川病院の看護師長。背が低く小太りだが愛嬌のある中年女性。自分が住む団地の中で空き家になった家を恭子に新居として紹介し、以来公私ともに後輩の彼女と達也をかわいがっている。
♀三倉ありさ・・・中学三年生。達也と同じ町内に暮らし、中学では達也を慕っていた。しかし・・・
♀三倉麻里・・・ありさの母。モンスタークレイマーとして中学では悪名が高い。達也が辞職する一因となった。


ーーそれにしても、ええ女やな。アカン、チンコが勃ってもうて戻らへんわ

 俺は偏執狂的な守男の思い描いた遠大な策略によって仕掛けられた狡猾な罠に嵌まってしまった、匂い立つような美形の人妻である隣人の山田恭子さんを前にして、まるで猿同然の性欲だった若い頃に戻ったかのような猛烈な股間の昂ぶりを覚えていた。トレードマークのステテコと腹巻きと言うラフな服装では、腹の皮に付くくらい急角度で勃起した男性器による卑猥な膨らみがモッコリと露呈してしまい、今自宅の玄関先で応対している絶世の美女の目にはどう映っているだろうかと思うと、ますます新鮮な興奮が込み上げて来てどうしようもなかった。長年女の調教に携わって来た俺だが、これまで手掛けて来た中でも間違いなくナンバーワンの、まるで映画女優みたいな長身美女が相手と言う事もあるし、これだけ手間暇掛けて仕組んで来た若夫婦の人生を狂わせる奸計の仕上げに当たって、俺自身感慨深いものがあったのだ。

ーー許してくれよ、恭子さん。俺はあなたに恨みなど少しもないのです。蛇のようにしつこくて残忍な細川守男に惚れ込まれてしまったあなたの運命を呪いなさい

 俺は哀れな美しき獲物を前に、情けなくも自分を正当化しようとする。全てはボンのせいで、アイツが悪いのだ、と。だが、本当にそうか? ならば今ステテコの下で猛り狂っている改造チンポはどう説明するのだ。俺は自己を弁護し、全ての責任を守男に押し付けようとする卑怯な気持ちと、裏腹に治まってくれない股間の興奮とのギャップに内心呆れて、自分を恥じる。

 それにしても一人の女を手に入れるためにボンが企んだ計画は、あり得ない程壮大なものだった。久美を通じて働き掛け、恭子さん夫婦の新居として俺の隣家を斡旋した所まで遡るのだが、その前に住んでいた老夫婦を守男は何と退去させているのだ。それだけでもどれだけの金が動いた事かと思うと、貧乏性が染みついた俺は気が遠くなりそうだ。それからやはり金をバラまいて工作したのだろうが、いつの間にか俺を町内会長に祭り上げると同時に、三倉麻里を愛人奴隷にすると偽って俺に調教させた。そして麻里を操って俺を陥れ、娘のありささんまでレイプさせた。守男はシラを切っているが、裏で糸を引いていたのは間違いない。

 麻里を何でも言う事を聞く奴隷とした守男は、ありささんの件より前に、この馬鹿母に命じて娘が通う中学校にねじ込ませ、恭子さんの夫で当時新米教師だった達也の立場を苦境に立たせると言う酷い工作も行っている。すると見るからに気が弱そうな達也は狙い通りアッサリ辞職して無職となるていたらくで、あわよくば恭子さんに見限らせて離婚させようと言う、守男の目論見にまんまと嵌まってしまった。その程度の男を夫としている恭子さんは哀れだと思うが、健気に達也を立てて励まし、むしろ夫婦仲は一層強固なものとなったように、端からは窺える。好き合って一緒になった夫を支える姿は妻の鑑であり、恭子さんが外見のみならずその内面も素晴らしい女性である事を示していた。

 だが当然守男の彼女への想いも深まるばかりで、遂に俺を動かして貞操堅固であろう恭子さんを魔性の性の歓びで籠絡し、そのパーフェクトな身体に夫を裏切らせて寝取ってしまう最終計画を発動させた。久美を通じて達也に細川病院への就職を斡旋させたのも工作の一つであるし、俺が命じられて実現に奔走した町内会の一泊旅行に夫婦を誘き寄せのがメインの罠だ。もちろん猛烈な罪悪感に責められながら、未成年少女強姦魔として人生を終わらせたくはない俺と、弟の言いなりの久美は、守男から渡された強力な薬物を酒席で恭子さん夫婦に服ませ朝まで完全に昏睡させた。そして、悪酔いした達也が娘のありささんに乱暴したのだと、ありもしない狂言レイプを麻里に訴えさせ、俺が仲裁に入って刑事事件とはせず、慰謝料を払って示談で片付けようと恭子さん夫婦に承諾させた。そこまでが数日前の話である。

「いや、奥さん、真っ昼間からすんまへんなあ」
「主人はおりませんが、よろしいのでしょうか」
「はあ、実はその方が都合がええんで、車があるのを見て急遽参らして貰うたんですわ」

 俺は白々しく嘘を吐く。本当は久美を通じて夫婦の勤務予定を入手しており、恭子さんだけが家にいる時間を狙って来たのだから。

「あ、あの、お金の方はもう少し待って頂けませんでしょうか」
「その事なんですがの。ちょっと、ここでは話し辛いんやが」

 夫がいない方が都合が良い、と言う不用意な発言で警戒させてしまったらしく、恭子さんは玄関先で用件を済ませたい様子だったが、俺が難色を示すと仕方なく家の中へ上がらせてくれた。三十万円と指定していた慰謝料の支払いがまだでは、立場上俺を拒否する事も出来まい。和室に通された俺に折りたたみ式の小テーブルを出して座らせた恭子さんは、「しばらくお待ち下さい」と部屋を出て行く。どうやらじっくり話をする覚悟を決めたらしい。俺は外見こそみすぼらしいが、町内会長として隣人として彼女との信頼関係を築いて来たつもりなので、恭子さんもまだ安心している事だろう。だがとうとうここで俺は隠していた調教師としての淫らな牙を剥き出し、彼女に襲い掛かるのである。もちろんいきなりレイプするわけではないが。

ーーこの部屋、扇風機しかないんか。やっぱり亭主がアレではな

 恭子さんを待つしばらくの間、俺は持ち込んだアタッシュケースの中のいかがわしい物品を確認すると、かなり使い込んだ古い扇風機が回っている殺風景な部屋の中を見回し、客を通す部屋に空調設備がない事などから、裕福な暮らしではない事を推察した。恭子さんはそれなりの収入があるナースだから、前回俺が提示した慰謝料の三十万円を払えぬ事はない筈だが、すぐには用意出来ないようであるし。彼女にとっては不幸な事だが、俺はこの後の話がうまく運ぶに違いないと期待してしまう。

「粗茶でございます。ごゆっくりどうぞ」

 良い所の若奥様のような見事な礼儀正しさでお茶と菓子を運んで来た恭子さんを見て、俺は又少し胸の高鳴りを覚えた。急に訪問したので、彼女も淡い色の薄手のシャツに黒いズボンと言うラフな格好だったが、バンと張った胸はこんな長身でスタイルの良い女性には不釣り合いなくらいの巨乳だ。背が低く貧相な体付きの俺は、こんな大柄で肉感的な女性がタイプなのである。いい女にムスコは正直、とは良く言ったもので、俺の股間はずっと痛いくらいの勃起を保っていた。

「今年はなかなか涼しゅうなりまへんなあ」
「そうですね。クーラーがなくて申し訳ありません」
「何、この方が体にええわ」

 そんな他愛のない言葉を交わしながら、俺はのんびりとお茶をすすった。熱過ぎずぬる過ぎず、ちょうど良い加減の温度で、出された甘い和菓子と一緒に口に入れると、幸せな気分になるくらい旨い。俺は夫の達也が帰って来るまで十二分に時間がある事がわかっていたので、実に麗しい若妻の姿態をとっくりと鑑賞してドキドキしながら、茶のおかわりまでしてしまった。今日はそこまで行かないが、こんな素晴らしい美女を性調教出来るとは。

ーーアカンアカン。この立派な人妻を愛する夫から引き離す調教など、悪魔の所業やで。俺はボンに脅されて、泣く泣く仕事を請け負っただけや。あいつと同レベルになったら、神様のバチが当たるで

 俺は調教師だから、人間の下半身は人格とは別物だと、よくわかっている。俺に肉棒調教された女性が、心ではどんなに抵抗しても、快楽を刻み込まれた身体が男になびいてしまうのと同様に、男の俺も頭ではいかに許されない不道徳な事だとわかっていても、こんないい女に下半身は黙っていないのである。今披露された完璧な礼儀作法と言いお茶の入れ方と言い、恭子さんは彼女の上司である、旧家の血を継ぐ淑女久美を想起させる「いい女」だ。全く何でこんな女が、あんな駄目夫を選び所帯を構えているのか、守男ならずとも不思議である。だが、男女の仲に勘ぐりを入れるなど無粋の極みであるし、それで2人を別れさせても良い、などと自分勝手な守男の理論を是としてはならない。それは人の道を外れた考え方である。

「ところで、奥さん」
「はい」
「今日参りましたのは、例の示談金の事ですのやが……」
「三十万円でしたら、必ず来週までには用意致します。もう少し待っては頂けませんか」
「いや、それが、誠に申し上げにくいのやが……三倉さんに山田さんが三十万円払う事を承諾された事を連絡した所、あのお母さんが火い吹いて怒られましてな」
「ど、どう言う事でしょう?」
「お母さんが言うには、三十万などと言う端金で示談に同意した覚えはない、三百万のつもりやった、と。指三本で、これでええでっか? と話をしたんで、わてもてっきり三十万やとばかり……」
「そんな、無理です! 三百万なんて……」
「わても、ちと無茶やと思うんやが、示談っちゅうのは本来警察の厄介になる問題を内々で片付ける、言う事やから、被害者側が三百万を要求しとる以上、呑まざるを得まへんのや。三倉さんは、すぐにお金が払えないなら、警察に行く、言うとられます」
「……わかりました。主人と相談して、何とかします」

ーーすまんな、恭子さん。何とかされては困るんや

「いや、それでは遅いんですわ。三倉さんはもうカンカンに腹を立てとられて、今日の5時までに三百万、用意せえ、と」
「え!?」
「わても今朝三倉さんから話を聞いたばかりでね。本当に、申し訳ないのやが……どう考えても、無理ですわなあ」

 恭子さんの顔が蒼白になったかと思うと、大粒の涙がボロボロとこぼれ始めた。彼女を騙して貶めるためだから、明らかに無理な条件を吹っ掛けてみたのだが、こんな美女に泣かれると錐で突かれたみたいに胸が痛んだ。

「奥さん、泣かんといてや。実は、わてに任せてくれたら、何とかしてあげられるやも知れんのです」
「……三百万円を、ですか」
「この後の話は、絶対誰にも明かさない、と約束してくれまっか?」
「主人にも?」
「それはまあ、奥さんが判断しなはれ。言わん方が無難やと思うがな」

 俺はあえて謎めかした事を言って、恭子さんの気持ちを揺さぶった。もちろん夫には絶対明かせない交渉を提示するつもりである。

「選りに選って、三倉さんとは、相手が悪過ぎましたわ、奥さん。あのお母さんには、バックに厄介な男が付いとりますのや。三倉さん、シングルでっしゃろ? 恐いお兄さんの情婦なんですわ」
「じょうふ?」
「本妻やのうて、二号さんみたいなもんやな」

 これは全くの嘘でなく、守男を念頭に置いて言ったのだが、恭子さんはヤクザでも想像してくれただろうか。守男はヤクザ以上に厄介で恐い男である。

「あのお母さんが無茶な事吹っ掛けて来るのは、その男の入れ知恵や。アンタらから身ぐるみ剥いだろう、とくらい考えとるのかも知れん」
「そんな……」

 一旦泣き止んでいた恭子さんが、再びさめざめと泣き始めた。どんどん事態が悪化するような事を俺が吹いているからだが、ここで俺が救世主のフリをする。

「奥さん、泣きながらでもええから、よう話を聞いてや。三倉さんの話聞いて、わてはすぐその男と話して来た。知っとるのや、その男をね。昔の仕事仲間なんやが、絶対誰にも言わんといてな」
「はい」

 相当ショッキングな話の展開であるが、恭子さんは泣きじゃくりながらもきちんと返事をして、理性を保っているようだ。これなら大丈夫だろう。

「で、実はその足ですぐ奥さんに会いに来ましたのや。結論を言いまひょ。奥さんにある仕事をやってもらいたい。そうすりゃ、その男も三百万などすぐに引っ込めますわ。ですが、無理ならかなり酷い事になりかねまへんで。とにかく恐い男やからね。旦那さんは前科者となって一生まともな仕事に就けず、奥さんも今の仕事はもう無理でしょうな。その男は細川と繋がっとるからの」
「あ、あの……主人には言えないような仕事でしょうか」
「お察しの通りですわ。わてがそういう仕事に関わっとった事、皆には内緒やで」
「は、はい」

 恭子さんはどんな仕事を想像しただろうか。アダルトな内容とだけはわかっただろうが、水商売か、体を売る仕事か。いずれにせよ、素直に「はい」と言ったくらいで、ある程度覚悟はしてくれた事だろう。そこで俺は満を持して、持参していたアタッシュケースからCDを何枚か取り出した。

「わては昔から古本屋をやっとりましてな。店の奥では、アダルトな品物も扱って儲けとりましたねん。奥さんには申し訳ないが、アダルトビデオに出演して頂きたい。奥さん、たいそう美人やからな。その男は、奥さんで撮影したビデオで三百万どころか、それ以上の収益が見込める、と思うとるみたいなんや」
「アダルト、ビデオ、ですか」
「今ね、中国とか、アジアの方じゃ日本製のアダルトビデオが大人気ですねん。奥さんには、日本じゃ販売せず輸出オンリーのビデオに出て頂きたい」

 アダルトビデオの話自体が大嘘で、撮影にかこつけて本物の性調教を施してしまう魂胆だが、日本では販売しない、とは彼女に決意を促すための方便だ。しかし、すぐにAV出演をOKする人妻もいないだろう。恭子さんもためらいを口にし、迷っている様子だったが、考え直す時間を与えるのはまずい。

「はあ……少し、考えさせて下さい」
「申し訳ないが、時間はないのです。サンプルをお見せしますから、それで判断して下さい、今日の5時までに。駄目なら、私としても、いかんとも出来まへんなあ」

 一本目に流したのは典型的な無修正もので、1人の女優を5人の男性が輪姦・中出しすると言う代物だ。そういう場面から再生したので、結合部や中出しされた精液もモロに見えて、おまけに女優の顔もバッチリ映っている。恭子さんの泣き崩れていた美貌は引きつり、とても合意出来そうにないと思ったようだ。

「三百万の代償ですからな、普通より過激な内容になりすわ。まず、無修正は絶対、モザイクなしで性器がモロ、っちゅう事です。それから、顔にぶっかけとか、中に出すとか、ザーメンまみれも覚悟せんと。まあ、膣内に出すんは偽もん使うから心配いりまへん」
「ごめんなさい、こんな事出来ません。もう、止めて下さい!」
「やっぱ、この路線は奥さんには無理ですわなあ」
「も、もういいです。この話はなかった事で……」
「では、5時までに三百万用意しますか? それとも」
「酷過ぎます……」
「まあ待って下さい、奥さん。あなたのような人妻さん向けのビデオもあるのですよ。これをご覧下さい」

 何とか恭子さんを落ち着かせ、次に流した二本目のAVが本命だった。画面に大きく「アートSM 幸子の調教」とタイトルが現れる。

「SM、なんて」
「とにかく、良く見て下さい。女優さんの顔、わからないでしょう?」

 もちろん、そういうAVを選んで持って来たのだが、縄掛けする男も全身をギチギチに緊縛されていく女も目隠しのドミノを着けており、素顔はわからない。そして緊縛を終えた女は二本のディルドウ付き三角木馬に乗せられ、ドミノで隠された顔が快楽で歪んだ。

「それにSMだと、このように偽物のペニスで責めるのが主流で、本物を入れずにすます事も可能です。他人に犯されなくて良いのですから、あなたのような人妻向きと思うのですが。まあ、口でするくらいは我慢して下さい」

 三角木馬に乗った女には、調教役の男のペニスが突っ込まれていた。

「あ、あの……どうしても今決めないといけませんか? もう少し考える時間を」
「仕方ありまへんな。今日は夜勤でっか?」
「はい」
「では、明日のこの時間にもう一度、よろしいでっか? わての方から、その男に頼んでみまひょ」
「ありがとうございます」

 もう恭子さんの心は半ば決まっているように見えたが、俺はあえて猶予をやった。迷っている彼女が、こんな事を相談出来る相手と言えば、同じ職場の久美しかおるまい。いや久美の方から誘い水を掛けさせても良い。そして……俺の頭には、グルである久美も巻き込んで、恭子さんにSM調教を受ける決意をさせる手管が浮かんでいた。

「さて決心は付かれましたかの」
「あ、あの……何とか三倉さんにお願いしては頂けませんでしょうか? 一週間でいいんです。一週間あれば必ず三百万の用意を」
「アンタも往生際の悪いお人でんなあ。わてが頼み込んで、ようやっと今日まで待って貰うたんや。これ以上は、そら無理でっせ。三倉のお母さん、すぐにでもアンタの旦那さんを警察に突き出したる、言うて息巻いとるんやで」
「でも! 私は夫のある身です。そんないかがわしビデオに出るだなんて、出来るわけがありません」

ーーやっぱ、ええ女やわ。ホンマ、あの男にはもったいないで

次の日の昼下がり、約束通り夜勤明けに俺の家に直行して来た恭子さんは、夫が未成年少女暴行で警察に訴えられるのを示談で済ますため、AVに出演すると言う条件を断った。顔を隠し本番はしなくて良い、とハードルを下げてもなお頑なに拒否する彼女は、やはり人妻としての貞操観念を強く持った立派な女性である。どんな理由であれホイホイとた易く体を開く女など興ざめも良い所で、俺は却って彼女を調教する事に意欲がわいて来た。そんな恭子さんでも絶対に屈して、SM調教を受ける事に同意せざるを得ないよう、手は打ってあるのだ。

「ほうか。そうまで言うなら仕方ありまへんな。ちょっと、中に入りなはれ」
「久本さんっ!」

 恭子さんはうちの床の間に通されると、中で正座して待っていた女性を見て驚きの声を上げる。彼女の存在自体もだが、白衣のまま全身に縄掛けされた上司の姿は強烈なショックだったに違いない。

「決心は付いたのかしら、恭子さん」
「一体、どういう事ですか!」

 あり得ない眺めに動転して、入り口で固まり引き攣ったようなハスキーな声で俺を非難する恭子さん。俺は彼女に代わって久美に答えた。

「アカンわ。やっぱどうあってもAVには出られへんと、言わはるねん」
「そう。思った通りね」
「なあ奥さん。観念して旦那のためや思うてビデオを撮られるよう、婦長さんからも説得されたんとちゃうんか? そうやと聞いたで」
「ごめんなさいね、恭子さん。どうしても放っておけなくて、シフトを変えてここに来てたの」
「どうして久本さんが……そんな事に……」

 わざわざ勤務を変更して、恭子さんに黙ってここに先回りして出向いた上、無残に縄緊縛されている久美。話の展開に付いていけず、ようやくそう声を絞り出した恭子さんを落ち着かせようと、俺は座布団を引っ張って来た。

「奥さん、まあ座りなはれ」

 オズオズと腰を下ろした恭子さんに久美が話し掛ける。俺は恭子さんが何とも言えない表情で正座したのを見届けると、少し離れた場所に縄掛けされている久美の方へと向かった。

「恭子さん、あなたにはあんなアドバイスをしたけれど、聞き入れてくれない事はわかっていたわ。いいのよ、あなたには達也君と言う大切な旦那様がいらっしゃるんですもの」
「奥さん、婦長さんは立派な方やな。アンタがAVには出られへん事を予測して、代わりに出たる、言うて直談判に来られましてな」
「そんな! やめて下さい、どうして久本さんが」
「今回の件、元はと言えば私が悪いんだから。あなたと達也君を無理矢理旅行に参加させた上に、あの時どんどんお酒をすすめて酔い潰れさせちゃったわ。だからこれは私の責任でもあるの」

 職場の上司と言う立場を利用して夫婦で一泊旅行に参加するよう圧力を掛けたのも、恭子さんの酒に薬物を入れたのも久美であり、彼女は本当の事を言ってるのだが、恭子さんにはとてもそのように聞こえないだろう。久美に対する申し訳なさでいぱいになり、彼女のありがたい申し出を受け入れる事が出来るわけがない。

「そんな事ありません! 何で久本さんが……早く縄を解いてあげて下さい、羽黒さんっ!」
「では奥さんがAVに出る、言わはるんやな? なら、話は早い。この縄を解いて、早速奥さんに掛けさせて貰うわ。ホンマ、あの男はせっかちでな、今日すぐ撮影を始めて証拠を持って来い、言うねん」
「恭子さん、駄目よ! 私はいいの、独り身なんだから。ほら、もう覚悟も出来てるし」
「そんな……久本さん、いけませんっ!」

 もとより久美は俺が調教を手掛けて弟守男の愛人奴隷に仕立ててやったマゾ女である。こんなシチュエーションで縛られるのも歓んでしまい、興奮して目を妖しく輝かせているくらいなのだが、何も知らない恭子さんにそんな事がわかる筈がない。
 
「では婦長さん。せっかく覚悟して頂いたのに申し訳ありまへんが、このお縄はやはり奥さんの方に」
「駄目ですっ!」
「なあ、アンタは本来関係おまへん。山田の奥さんさえSMビデオに出て下されば、それでええんやで」
「そうです、成本さん。私、AVに出ます」

 久美は嫌がって見せるが、予定通り恭子さんは遂にSMアダルトビデオに出演する決心を固めてくれたようで、小声だがキッパリとした口調でそう言った。すると久美は縄拘束を外される前に条件を出す。

「本当にいいの、恭子さん」
「はい。私達の不始末を、成本さんに尻拭いして頂くなんて出来ません。ですから」
「わかったわ。だったら、羽黒さん、約束して下さい」
「何や」
「恭子さんは人妻なんですから、絶対にバレないよう顔を隠してあげて」
「ほうやな。必ず目隠しして撮影したるから、まず大丈夫やで」

 久美は恭子さんの救いとなるような条件を出しているようだが、守男の言いなりの彼女は俺との打ち合わせ通りにしゃべっているのであり、AV撮影を装った性奴隷調教として目隠しを義務付けるのは却って好都合なのだ。視界を奪われた女性は、全身に鳥肌が立つくらい敏感になってしまい、恭子さんがどんなに夫に操を立てようと体を固くしても必ずや性の歓びに我を忘れてよがってしまう事になるだろう。

「それから、本番はいけません」
「そら、浮気になるからの。わてのポコチンを奥さんのまんこにぶち込むようなマネは絶対せえへんわ。約束するで」

 普段は間違っても「本番」などと口にしそうにない久美と俺のやり取りを、恭子さんはどんな気持ちで聞いているだろう。AV出演を承諾した彼女により一層覚悟を促すつもりで、俺は敢えて野卑な言葉を使う。そして久美の縄に手を掛けながら、恭子さんに服を脱ぐよう言った。

「奥さん、これから早速第一回の撮影をしてあの男に報告せなアカンのや。パンツとブラだけになってくれまへんか」
「下着はいいのですか」
「何せ無修正やから、おいおいスッポンポンになって貰いまんがな、SMっつうのは意外と服着たままのが喜ばれるんや。次から婦長さんみたいに白衣を持って来てえな。それで縛らして貰いまひょ。そないな色気のない私服では困るんで、今日の所は下着で撮らして貰うわ。奥さんも裸になるより、ええやろ」
「気を使って頂いて、どうもありがとうございます。あ、あの、全然セクシーな下着じゃないんですけど、どうかよろしくお願いします」
「そないにかしこまらんでも、ええがな。もしかして、白でっか?」
「ああ……はい」
「そら最高や。奥さんみたいな別嬪さんが、白パンツなんかはいた日にゃ、男はみな興奮しまくりやで。ほら、わてももうビンビンになって来たわ」
「あっ!」
「この程度で恥ずかしがらんといてえや。奥さんはアダルトビデオに出らはるんやで」
「すみません。でも、やっぱり恥ずかしくて」

ーーぐああ! 何つうええ女やねん。久美といい、細川病院のナースは最高やな

 服を脱いでAV撮影されようかと言うのに、実に上品で礼節を失わず、少女のように恥じらって見せる恭子さんは、今縄掛けしている先輩の婦長久美を調教した時の事を思い出させてくれた。そして久美も年齢の割に愛嬌のあるかわいらしい外見だが、モデル体型で美形の恭子さんはルックス的にも最上の部類である。俺が何もしないのに暴発しそうなくらい強烈に勃起してしまったイチモツを取り出して見せ付けると、恭子さんはビックリしたような声を出し、目を反らして大柄の体を丸め込むようにして脱衣を続けた。その間、俺の手は止まっていたのだが、ここで久美が意外な提案をする。

「羽黒さん、この縄解かなくても結構です」
「何でや」
「恭子さん、あなたにだけ辛い思いをさせたくないの。私も一緒にビデオに出るわ。いいでしょう、羽黒さん」
「成本さん、何てことを! いけません! そんな事は」
「いいのよ、恭子さん。私はホンのちょっと、脇役でいいから。さっきの約束、ちゃんと守ってるかどうかチェックしてあげるから」
「それはありがたいお申し出やの。わても絶対約束違えるような事はせえへんつもりやが、婦長さんに見張っといて貰えば安心やな、奥さん。それに婦長さんも一緒に縛られてくらはるなら、きっとええビデオが撮影出来まっせ」

 一緒にAVを撮影される、すなわち恭子さんの寝取り調教に立ち会わせて貰う、と言う久美の申し出は打ち合わせにもなく、俺にとっても大いに意外だったが、ムクムクと妄想がわき起こる嬉しい提案だ。恭子さんも諦めて覚悟を決めたのか、黙ってパンツルックの服装を脱ぎ、純白の下着だけの姿になっていた。大人の女性が女学生のような飾り気のない白下着を着用するのは珍しいと思うが、こんな清楚なイメージの長身美女だと実によく映えて、素直に美しいと俺は感動した。

ーー久美のやつ、もしかして恭子さんに……よしよし、そのうちお前にもガッツリかわいがらせてやるからの、この別嬪さんを……

 上品で素直な性格の良さと言う共通点はあるものの、小柄でぽっちゃりした久美と恭子さんの外見は好対照なくらい違う。俺は二人の女を見比べて、久美が自分よりずっと美形の恭子さんにレズっ気を起こして、AVに一緒に出演させろと言ったのではないかと思い当たった。普段の二人は職場の上司と部下に当たるが、ほとんど仲の良い姉妹みたいに気兼ねもなく良い関係だと聞いている。だが、弟守男を溺愛している久美が、その弟が横恋慕して寝取り調教し、愛人奴隷に堕とそうとしている恭子さんに、複雑な感情を覚えない筈はない。結ばれないとわかっていて、実姉なのに愛人奴隷として守男にかしづいている久美が、自分に向けられるべき愛情を奪ってしまいかねない恭子さんに、嫉妬に似た気持ちを覚えない方が不自然なのだ。だとすれば、その感情が恭子さんをレズビアンの毒牙に掛けてさめざめと泣かせてやりたい、と言う欲望に転嫁してもおかしくない。俺はここで、いずれ久美も責め手として恭子さんの調教に加担させてやる事を決意した。

「では、奥さん。下着だけにならはった所で、新しい縄で縛らせてもらいますわ」
「羽黒さん、痛くないよう優しくしてあげてね」
「へえへえ、わかっとりまっせ。奥さん、この赤い縄、太い紐みたいでっしゃろ? 女の人の肌を傷めんよう柔らかい素材を使うた特注品でんねん。痛うも痒うもないさかい、気い楽にしとってや」
「あ、あの……縛られるなんて初めてなんで、どうかよろしくお願いします」
「それにしても奥さん。アンタ血管が浮き出とるくらい色白やなあ。お肌もスベスベで綺麗やし、こら男は辛抱たまらんで」
「ああ、そんな……恥ずかしい」

 お世辞でも何でもなく思った通りに、絶世の美女ぶりを褒めそやすと、恭子さんは恥ずかしがった。俺は彼女にソフト縄を掛けようとしてから、思いついた事を実行に移した。

「そや、せっかくやから婦長さんの隣で縛られてえな。さ、あっちへ行きまっせ、奥さん」
「そんな……」
「恥ずかしがらないでこっちへいらっしゃい、恭子さん。私だって、縛られてるんだから」
「はい。わかりました」

 上司の隣に並んで縄掛けされる事にためらいを見せた恭子さんも、久美本人に促されては拒絶出来ず、従順に腰を上げると純白下着だけの姿で床の間の方へ向かった。

「どや。ちっとも痛ないやろ?」
「はい。あ、ありがとうございます」

 久美もそうだが、初めてのSMビデオ撮影とあって、恭子さんに余計な警戒心を抱かせまいと俺の縛りはひどく緩いものだった。おかげでわざわざ馬鹿丁寧にお礼を述べる若妻の性格の良さが、俺の良心をチクチクと刺す。

ーー俺はアンタを騙して旦那から引き離し、守男の女にしちまおうと企む悪漢やで。そないに礼儀正しゅうされたら、気がひけるやろが。俺に気を許しとったら後で後悔するで

 特注品の柔らかい紐縄は女の柔肌にフィットして、多少圧迫感を覚えるくらいでほとんど痛みはない筈だ。しかし撮影と言う名の調教が進むに連れて、縄の食い込みはきつくなり、乳房は括り出すように緊縛され股間にも刺激的な縄目を味わって貰う事になる。恐らくその頃にはどんな女でも持っている被虐を歓ぶマゾ気質が開花してしまい、縄掛けされただけでひどく興奮しどうしようもなく濡らしてしまう事だろう。久美がそうだったように。

 そして苦痛の全くない緩慢な緊縛ではあっても、正座して下着の上から後ろ手にまとめてキッチリ縄で縛っているから、もう十分体は不自由なのである。俺が顔を隠すと言う約束通り黒い布をガッチリ巻いて目隠ししてやると、恭子さんの色白な美貌が次第に紅潮し、全身がワナワナと小刻みに慄え始めた。俺はついでに久美にも目隠しを施してから言う。

「さ、これでアンタらの顔は誰だかわからへんで。撮影の準備完了や」
「あ、あのう……」
「どないしましたかな、奥さん」
「いえ、何でもありません」

ーーハハハ、怖じ気付いても、もう遅いで。アカン、もうどうにもチンポの収まりがつかへんくらい、興奮して来たで。俺も悪い男やなあ

 縛られ目隠しされて不安になったのか、恭子さんが怯えたように口を開く。恐らくAVに出て淫らな行為を働かれても、人の妻として絶対に嫌らしい反応を見せてはならないと、誓っていたのだろう。それが視界を奪われてしまっった事で、本能的にヤバイと察知したに違いない。あるいは夫との性生活でこんなSM的プレイも経験済みなのだろうか。いずれにせよ早くも狼狽の色を隠せない恭子さんの反応から見て、この美しく貞淑な人妻が手もなく性調教のプロである俺の手管に籠絡されてしまうのは間違いなさそうだ。守男の奸計で心ならずも哀れな人妻の調教を手掛ける事になった筈が、いざ本人を目の前にするとどうしようもなく胸が躍り股間が昂ぶってしまう自分に呆れながら、俺は努めて冷静を装うとあくどい計略を仕掛けた。

「撮影したビデオは後で適当に編集するんやけど、設定だけは決めておきまひょ。婦長さんも奥さんも現実と同じ、美人のナースと言う設定や。二人とも人妻やが、夫の借金かなんかのせいで売られて、奴隷としてSM調教を受ける。婦長さんは一足先に奴隷に堕ちとる。ほんで、奥さんは新入りで先輩と一緒に調教される、っつうストーリーや。どや、良う出来た話やろ。興奮せえへんか、奥さん」  
「そんな、酷いお話……」
「まあまあ。ちとリアルっぽいが、あくまでフィクションや」
「そうよ、恭子さん。本当に売られたわけじゃないんだから。撮影の間だけ我慢しましょう、いいわね?」
「はい、わかりました」

 我ながら嫌らしい設定だと思った。久美も人妻だとか細部は違っても、ほとんど現実そのままではないか。久美はもう悪魔のような弟に魂を売ってしまったのか、シレっとして大嘘を吐く。撮影と言う名の性奴隷調教が完了したら、恭子さんは本当に夫の元から守男へと「売り飛ばされる」運命なのだが。

「せやから、婦長さんはエッチい事されても歓んでまうんや。目え見えへんから、せいぜい色っぽい声でよがって、奥さんに聞かせたりいな」
「そ、そんな。恥ずかしいわ」
「コラコラ、撮影の間だけ我慢っちゅうたのはアンタやし、AVに出るっちゅうたのもアンタやろ。覚悟を決めて演技してえな」
「わかりました」

 演技も何も、久美は地のまま勝手知ったる俺の性戯にアヘり狂えば良いだけの事だ。ちなみに小柄だが迫力満点の豊満ボディーを持つコイツは、よがり声も人並み以上にデカい。だが、久美の本性を知らず上品な女性だと思っているであろう恭子さんには強烈なインパクトがあるだろう。

「奥さんはもちろん、絶対にエッチな気分にならんでええ。変な声が出たりせんよう、歯を食い縛ってでも我慢しいや」
「はい、頑張ります」
「ではビデオカメラを回すからの。こっからは役に成り切って演技やで、演技」

 二人とも目が見えないのだからズル出来ない事もないが、俺はちゃんと用意していた三脚で固定したビデオカメラをスタートさせる。これでAV撮影とはショボ過ぎるようだが、「店」で素人女性を使い無修正のビデオを撮影する時は、こんなハメ撮りみたいなやり方なので、あながち嘘ではない。そして心ならずも性の歓喜にのたうち回ってしまうであろう恭子さんの痴態を撮影する事には大きな意味がある。彼女自身に見せて被虐気分を呷ってやる事。さらには、まさか自分の妻が隠れてAVに出演しているなどと思いもしないであろう、あのボンクラな夫に見せ付けて、別れを決意させてやる事だ。どんな修羅場が待っているのか、それともあの気弱そうな男だけにアッサリ兜を脱いでしまうのかはわからないが、全ては守男が描いたシナリオなのだ。俺の知った事ではない。

 すると恭子さんには聞かせないつもりか、久美が小声で俺に言う。

「私は顔を隠さないでも結構ですわ」

 そりゃそうだ。そもそも久美はAV撮影など大嘘で、実は恭子さんを騙して性奴隷調教してしまうための方便だと知っているのだから。俺は無言で久美の目隠しを取ってやったが、ガッチリ目を塞がれている恭子さんには何が起こっているかわかる筈もなく、久美も自分と同じように目隠しされているのだと思っているだろう。だから俺も久美だけ視界を解放してやった事は黙って隠す事にした。

「二人とも目が見えへんから、わてが合図したる。スタート、言うたら撮影開始やからの、設定を忘れたらアカンで。アンタらは夫の借金のせいで悪い男に売り飛ばされた、かわいそうな人妻ナースや。ちゃんとあの男が満足する出来のビデオが撮影出来へんと、いつまでも撮り直しさせられるんやからな、本気で役に成り切って演技してえな……ほな、スタートや!」

 恭子さんにはわからないだろうが、実際に固定したビデオカメラを回し始めた俺は、まず正座した白衣緊縛姿もすっかり板に付き、全身から「イジめて」オーラを発散しているようなマゾ女久美の後ろににじり寄って座り、白衣をはだけて両手を豊かな双乳に掛けた。さっき縛った時下着を奪ったので、白衣の下は全裸で緩やかだが一応巨乳を括り出すように縄目が掛かっている。

「おい婦長。お前の後輩もセックス奴隷として売り飛ばされて、俺の調教を受ける運命や。先輩として見本を示してやれ。せいぜい色っぽい声でよがって見せるんや」
「ああ~っ! いい~っ!」
「よしよし、乳を一寸弄っただけで、そないに感じるんやな。ちょっと体に触れただけでキッと睨み付けおった初めの頃とは、えらい違いや。ホレ」
「ヒイッッ!! そ、それ、駄目え~っっ!!」

 俺が香水を使っている事もあって甘い匂いを漂わせている耳元付近の首筋を嫌らしくねぶりながら、白くて柔らかい乳房をゆっくり柔らかく揉みほぐし、先端のグミのように熟れた蕾をコロコロと指で転がしてやると、久美はいきなり大きなエロ声を張り上げる。彼女の表情はウットリと快感を噛みしめるようにだらしなく緩み、あながち演技でもなく本気でよがっているように思われた。何しろ俺に背中からまとわり付かれた瞬間から、久美の正座して緊縛された体はビクンと鋭敏に反応してワナワナと慄えおののき始め、洩れる声もやたらにハスキーで男を奮い立たせずにはおかない悩ましさなのだ。これが全くの演技だとしたらアカデミー賞ものである。

「よっぽど男が欲しかったみたいやな、どスケベ婦長め」
「そんな事ありません……ああ、もう、もうっ!」
「どや? 婦長。あんな亭主と別れて正解やと思わへんか」
「あの人の事は、言わないで……ううんっ! ああ、ああ~っっ!!」

ーー久美のやつ、ボンにかわいがって貰うてないんと違うか? 軽く縛っただけで乳首をビンビンにおっ勃てやがって

 俺はそんな余計な詮索をして、現実と重ね合わせるように言葉を掛ける。もちろん隣の恭子さんに聞かせて気持ちを揺さぶってやるためだ。人妻なのに体が夫を裏切り、他の男の愛撫にメロメロに感じてしまう女を演じている久美のデカいアヘ声は、夫の不始末で心ならずもAVに出演する羽目に陥った自分の運命とオーバーラップして、ひどく刺激的でたまるまい。

「なあ婦長。借金を作ってお前を売り飛ばした馬鹿な夫の事なんか、はよ忘れてまえ」
「あの人は私を売ったんじゃありません。あなた達が無理矢理私を連れ去って……」
「その割に、体の方はもうメロメロやないか。旦那に申し訳ないと思うんなら、気をやるんやないで。まさか、乳を揉まれただけでイッテまうほどビッチじゃあるめえな。これでどうや? ホレ、ホレえ~!」

 まるで事前の打ち合わせがあったかのように上手に話を合わせた久美は、弱点を知り尽くした俺のネッキングと乳房責めにすっかり興奮してしまい、とでめに乳首を吸い上げてやると、アッサリ絶頂に達した事を叫んで告げる。やはり、多忙な上に恭子さんを堕とす事に血道を上げている守男は、彼女を抱いてやってないのだろう。驚く程の感受性の良さを発揮した久美は、おこりに掛かったようにビクビクと全身が打ち震え、一瞬硬直して天を仰いでいたから決して演技ではない。本当に乳房を責められただけで激しく昇り詰めてしまったのだ。

「ははは、やっぱ気をやってもうたな、婦長。お前はもう人の妻やない。俺様のかわいいセックス奴隷や。よっしゃ、大好きなチンチンをやるさかい、しゃぶって飲め」
「ああ……はい、ご主人様」
「おい、新入りの奥さん、聞いとるか? アンタも俺のセックスにメロメロになって、チンチンを出されりゃ喜んでむしゃぶり付く運命の奴隷になったんやからな。早う、夫の事は忘れてエッチを楽しもうな。おい、わかったか?」
「そんな事、出来ません」

 俺の肉棒を嫌がるどころか飢えた牝犬のように大喜びでくわえ込んで素晴らしいテクを発揮し始めた久美の口を楽しみながら、隣で正座している恭子さんを小突いて促すと、キッパリと拒絶の言葉を吐いてくれた。だが、性格の良い彼女の口からこれ以上の強いセリフは期待出来ず、俺は誘導尋問で気分を盛り上げてやる。

「奥さん、金で女を買って奴隷にする、俺のような男はひどいヤツだと思うかね?」
「はい」
「アンタもまだ夫を愛しとるんやな?」
「はい」
「俺にエッチな事をされても、絶対感じたりせんと、思うとるな?」
「はい」
「ハハハ、この婦長さんも初めはそうやったんやで……おっしゃ、ドバッとザー汁が出たの。よしよし、一滴もこぼさんようゴックンしてから、ペロペロお掃除や。奥さん、アンタにも今日はここまでやって貰うで」
「そんな!……ああ、出来ません、そんな嫌らしい事」

 ついに恭子さんから「はい」以外の言葉を引き出し、久美の口唇奉仕と飲精に満足した俺は唾液でベトベトになったチンポを引き上げると、白衣をめくり上げて股間に手を掛ける。

「おう、婦長さん、もうベトベトに濡らしとるな。さ、たんまりご褒美をやるで、へへへ……」
「ああ~っっ!! ご主人様、嬉しい~っっ!!」
「ホンマにチンポが好きな女やな。人妻だったとは、とても思えへんで」
「ああっ! あああ~っっ!!」
「新入りの奥さん。今婦長さんは、俺のチンチンでオマタに注射されて、大喜びで腰振ってよがっとんのやで」

 俺は久美を押し倒すと、確認するまでもなく愛液で濡れまみれ迎え入れ態勢が万全だったアソコに、グサリと肉棒を突き刺した。一発抜いても彼女の口の中ですぐに復活していた俺のモノは、却って硬度を増して自慢の刺激イボも存分にその威力を発揮する事だろう。久美は最早はばかりなく淫声を吹きこぼしながら、緊縛されて不自由な腰を蠢かせて、自分の気持ち良いスポットをイボで刺激しようと浅ましく快楽を求めている。

「奥さん、心配はいらん。アンタには本番はしない、っちゅう約束で譲り受け取るんや。だが、オマンコしとうなったら、遠慮なくそう言うてな。すぐにチンチンぶっ刺したるさかい」
「そんな事、絶対ありません」
「ハハハ、そんな事を言うとられるのは、今のうちかも知れへんで。ほら、婦長さん、今度はアンタが上になって動きい」

 俺が力ずくで上下を入れ替えると、久美は上流階級の淑女らしからぬグイグイと大胆で下品な腰使いを見せ、大声でよがり狂って見せる。これは間違いなくボンに構って貰えないため、男日照りだったものと思われるが、今から毒牙に掛ける絶世の美人人妻恭子さんが隣にいるのだ。彼女がどんな気持ちで凄まじい久美の乱れぶりを聞いている事かと思うと、俺もいつになく興奮し、程なく尻の辺りから猛然と射精欲求が込み上げて来た。パイプカットしていて生殖能力のない俺が我慢する理由はなく、久美の中に思う存分種なし精子をぶちまけてやる。するとその瞬間さっきより一層激しく生々しいアクメを絶叫した久美は、ピクピクと痙攣するばかりになったが、それも治まると俺の上でグッタリ動かなくなった。

「いや悪いの。婦長さんのオマンコが具合良過ぎて、ドッサリ出してもうたわ」 

 久美は知っているから問題ないのだが、俺が種なしである事を知らない恭子さんのために、ウッカリ中出ししてしまったと教えてやる。このAVの世界では、人妻であっても売られて性奴隷に堕ちた女に遠慮はない、と言うデモンストレーションのつもりだった。本番はしない、と言う奇妙な条件の性奴隷と設定されている恭子さんは、どんな気持ちだろう。次第に現実との境目があいまいになって、混濁した意識に成って来つつあるのではなかろうか。それが俺の付け目であり、撮影が終わる頃には完全に堕ちているであろう恭子さんは、本当に夫の下から奪い取られる運命なのだ。

「オラッ! いつまでも俺のチンポをくわえて寝くさっとるんやないで、婦長!」
「も、申し訳ありません、ご主人様」

 さて俺が調教を手掛けた「イイ女」久美との久しぶりの下半身が蕩けそうな心地良い交わりをずっと楽しんでいたい気持ちはヤマヤマだったが、いつまでもこうしてはいられない。夫が帰宅するであろう時間まではまだ余裕があったが、本来のターゲットである恭子さんの調教に移らなくては。俺は体の上で繋がったままグッタリ脱力していた久美を乱暴にはねのけると、その時頭に浮かんだアイデアをさっそく実行に移す。俺のセックスの虜になった先輩奴隷人妻、と言う設定の久美に命令して、恭子さんをレズらせてやるのだ。

「おい婦長。これを使って、新入りの奥さんをかわいがったれや」
「わかりました」
「奥さん、婦長さんを恨むんやないで。俺のチンポに躾けられた女は何でも言う事を聞いてしまう奴隷になっちまうんやからな。ま、いずれアンタもそうなる」
「ヒイイッッ!!」
「あらあら、すっごい感度ね。知ってる? 恭子さん。耳が感じ易い女性は全身良く感じるエッチな女なんですって。うふふ、そっち向いちゃダーメ。反対側くすぐっちゃうんだから」
「オラッ! 逃げるんやないで、奥さん。もう観念するんや。このくらいでうろたえとったら、後で泣きように困るで」

 俺が久美に手渡したのは穂先をバサバサにほぐした二本の毛筆である。人の指よりはるかに繊細なタッチの愛撫が可能で、嫌がって閉ざそうとする女の体をこじ開け淫らな気分に誘うにはうってつけの小道具だ。目隠ししてから用いれば効果抜群で、どんなに貞操堅固な人妻であっても5分もくすぐれば音を上げて、旦那に聞かせるようないい声で悶えてくれる事だろう。くすぐったさは容易に性的快感に転化するものだ。

 今嫌らしい毛筆を手に淫らに目を輝かせて恭子さんに襲い掛かっている久美も、調教を開始した頃は性経験が乏しく緊張して固くなっていたのだが、この視界を奪って全身をくすぐるプレイに大声を上げて悶絶し、驚く程グショグショに股間を潤わせてしまったのだ。その時の恥ずかしい記憶が残っている久美は、俺にやられたようにまず恭子さんの耳元に筆を這わせて悲鳴を上げさせる。処女に近かった久美に比べて、十分男の味を知っているであろう人妻には効果覿面の筈で、嫌がって顔を背けようとしてももう一本の毛筆が待ち構えているのだ。こうして早くも進退窮まった様子の恭子さんの正面に立った俺は、筆を持った両手でイヤイヤと動かす頭をガッと押さえ付ける。いわゆるイラマチオの体勢で、俺の肉棒をしゃぶらせながら毛筆くすぐり責めにのたうち回って貰おうと言う心算だ。

「奥さん、口をアーンして俺のチンポをくわえるんや。旦那にもしてやった事があるやろ。そうそう、ええ子やええ子や。婦長さんのオマンコ汁がこびり付いとるから、タップリ味わうんやで」

ーーこの女、チンポをくわえ慣れとるな。いきなり口を使い始めよった

 久美の筆責めに狼狽して早くも観念したのか、恭子さんは従順に口を開き、使用直後で淫汁や精液の残滓でテカテカ光る俺のペニスをしっかり頬張っていく。本当に嫌がり男を拒絶している女だと歯を立てて危害を加えられる恐れがあるが、夫を救うためだと騙されたAV出演で、よろしくお願いします、と頭を下げた性格の良い恭子さんだから、そんな心配は無用だ。それどころかアッサリ亀頭が喉奥に当たるまで深くくわえ込み、クチュクチュと卑猥な水音まで立てながらしゃぶり始めた彼女のテクニックに俺は驚いた。久美には何度もしゃぶらせて会得させたような口技の巧みさで、さっき射精したばかりでやや勢いを失っていた俺のペニスは、たちまちギンギンに灼熱の勃起を復活させていく。恐らく、あの情けない夫達也にもしてやっているのだろう。実にもったいない話だ。俺はあまり早く放出してしまわないよう尻穴に力を入れて踏ん張ると、久美に加えてさらに二本の毛筆を恭子さんの美しい体に這わせ始めた。いつの間にか、久美の手で白下着がずらされ何の役にも立たなくなっている。

 上流階級の淑女であり性的には未熟だった久美、そして記憶に新しい所ではあの処女の中学生ありささんを性の歓びに目覚めさせてやった目隠し毛筆くすぐりはやはり効果絶大で、あっと言う間に色白の全身を紅生姜のごとく真っ赤に染めて悶絶し始めた恭子さんだが、そうそう簡単に思いが遂げられるものではない。俺と久美も十分に心得て、美しい人妻の全身の性感帯を探るように四本の毛筆を使いながら、股間や乳房と言った肝心の箇所は、時々チョンチョン触れても決して気をやらぬよう焦らしてやった。そのため恭子さんは悶々とイクにイケない体の欲情のはけ口を求めるのか、まるで愛する男性に対するかのような情熱的な口使いで俺を押し上げて来た。

「そろそろこの奥さんも限界やろな。これ以上焦らしたら頭がおかしくなるかも知れん。婦長! お前は乳首をくすぐったれ。奥さんをイカしてやるんや」

 何の事はない、限界が近付いてギブアップしたのは俺の方だった。還暦目前でも精力には自信があり、射精管理も自在な筈の調教師としては情けない限りだが、それだけ夫を救いたい一心で懸命に口唇奉仕する恭子さんの一途な思いが凝縮されたようなフェラテクが素晴らしく、俺を感じさせるものがあったのだろう。だが、そんな男の窮地はおくびにも出さず、久美の毛筆が両乳首を粘っこくさすり上げるのと同時に、全身に横溢する欲情でだらしなく緩んでしまった正座の股間に潜り込んだ俺の二本の毛筆は、ピョコンと包皮から顔を覗かせていたピンクの尖塔を挟み撃ちにして強く刺激する。

「むうう~っっ!!」

 絶頂を告げる恭子さんのくぐもった悲鳴と、俺が我慢し切れず口内にドッと飛沫かせた精の放出は、どちらが先だったろうか。この貞淑で美しい人妻が俺の精子を体に浴びたせいで絶頂に昇り詰めてしまったのだと思いたかったが、現実は逆だったかも知れない。いずれにしても、恭子さんが性的にも素晴らしい女性である事は間違いなく、俺は調教師としての立場も忘れて興奮し、二発目とは思えない程大量のザーメンを抜かれていた。俺は肉棒を抜かず、グッタリと垂れた恭子さんの顎をしゃくって言う。

「どや? 奥さん、気をやってもうたんやな。お、よしよし、気が利くな、奥さんは」

ーー何つうかわいい女や。調教なんか必要ないで

 口内射精はほとんどの女性にとってハードルの高いプレイであり、初めはチンポと一緒に精子を吐き出してしまうのが普通だ。ショックとザーメンの気色悪さで本当に嘔吐してしまう女だって珍しくない。精液を飲んだり後始末までさせるとなれば、根気強く何度も奉仕させて慣れさせる必要があるものなのだ。「ゴックン」はNG、と言うAV女優すらいるくらいなのに、コクリとうなずいて絶頂を認めた恭子さんは、言われもしないのに、俺のザーメンを飲み下し、ペロペロと後始末まで始めていたのである。

「もしかして、俺とセックスする気になったんか? 奥さん」
「い、いえ、それだけは……申し訳ありません」
「残念やな。奥さんのおかげで俺のチンポ、又固うなって来たで」
「そんなつもりでは……」

 あのボンクラ亭主にしてやってるのだろうか。口内に出された精液の後始末まで恭子さんが丁寧に施してくれたために、俺のペニスは年甲斐もなく又も臨戦態勢を取り戻し、AV撮影だの調教だのと言った事は抜きにして、正直に彼女を欲してしまっていた。嫌々とはとても思えない奉仕ぶりで、客観的に見れば恭子さんも俺のペニスで犯される事を望んでいるのでは? と思ったのだが、やはり本番行為は拒絶された。

ーーアカンアカン。本番は厳禁と言う約束やったやないか。俺が理性を失ってどうする。全く、これじゃボンの事を責められんで……

 何の罪もない人妻の恭子さんに横恋慕して寝取りたいと言う守男を俺は激しく非難したが、手の込んだ罠に嵌まってやむなく彼女の調教に着手した所なのだ。人の道に外れた人妻寝取りは俺の主義にも反するし、恭子さんを性調教しても生身の男性で彼女を犯す本番行為は絶対しない。これは恭子さんにAV出演を承諾させると同時に、俺自身に課した最後に守るべき道徳的枷のつもりだったのだ。なのにいきなり禁を破ってしまおうとは。いくら恭子さんが魅力的な女性でも、絶対に範を超えてはならないと、彼女自身に拒絶して貰った俺は自戒を新たにした。

 だが、筆くすぐりで一度極めただけで成熟した人妻の体が満足する筈はない。同性ゆえにそんな恭子さんの欲情ぶりがわかるのだろう、久美が言った。

「じゃあ、レズったげようか、恭子さん」
「えっ!? いけません、そんな……」
「女同士なら浮気にならないし、いいでしょ、恭子さん」
「あ、駄目です、イヤッ!」

 俺が正面にいたために、背後から寄り添っていた久美は、毛筆を置き両手で恭子さんの大きな美乳に触れていた。相変わらず目隠しされている恭子さんはなすがままになって悲鳴を上げるが、そんなに強く拒絶しているようには見えない。調子に乗った久美は片側の乳頭を摘んでクリクリと弄り、首筋をネロネロと舐めるネッキングの体勢に入ると同時に、もう片手を緩んでしまった股間に向かわせる。

「駄目って言いながら、こんなになってるわよ、恭子さん。クリちゃんはビンビンだし、中は大洪水じゃない、フフフ」
「あっ! ああ、ああ……」

 久美は同性だけに女の快感のツボを心得ているのだろう。調教師の俺の目から見ても巧みな指裁きで股間の花弁を柔らかくくつろげつつ、合わせ目のクリ豆に刺激を加えて、恭子さんを歓ばせる。目が見えないとは言え、恭子さんも久美が弄り易いように正座だった脚を投げ出し開いて指を迎え入れていたから、欲情が募って仲の良い先輩のレズ愛撫を受け入れてしまったようだ。久美の指がビロンと広げてしまった陰唇の内部から、ドロドロと白濁した熱湯のような花密が溢れ出して内股を滴り落ち、この麗人の肉体の懊悩を物語っていた。そして、久美の指が二本挿入されクチュクチュと激しく動くと、恭子さんはもう歓喜の声を慄わせながらよがり泣くばかりになっていた。程なく二度目の絶頂が訪れて、ビクビクと体をおののかせる恭子さん。

「ハハハ、婦長さんは中々のテクニシャンやな。悪いがもう今日は時間がない」

 男が射精すれば一区切り付いてしまうが、レズビアンの歓びには際限がない。放っておけばいくらでもレズっていそうな2人だったが、ここで俺がストップを掛ける。目隠し緊縛された恭子さんが、二度も本気でアクメを晒してくれたのだから、初日としては十分だろう。何より久美が責め手に使える事がわかったのは大きな収穫である。本番は出来ないから、もしかすると俺より効果的に恭子さんを性悦の虜に仕上げてくれるかも知れない。

「奥さん、まだエッチしたりんやろうが、堪忍やで」
「そんな事、ありません」
「ほうか? 婦長さんと、えらいラブラブやったやんか。まあ、ええ。続きは又今度や。おい、婦長。奥さんに、ええお土産をくれたるから手伝え」
「はい。ああ、そんな物を……」

 久美もこれを使われて完璧な性奴隷状態に貶められ俺の調教を受けた女だから、見ただけで興奮したように声を微妙に上擦らせていた。それは股間に装着する頑丈そうな黒革のT字帯、いわゆる貞操帯と言うSMグッズである。久美はそれ以上何も言わなかったが、恭子さんを怯えさせるには十分だったろう。実際これは一日中性を管理する恐ろしい道具だ。人妻が他の男に使われて、夫との性交を不能にしようと言うのだから不道徳極まりないが、AV撮影期間だけだと騙して恭子さんに装着してしまうつもりなのだ。俺と久美は恭子さんの縄を解いて畳の上に仰向けで横たえ、長い脚を開かせると、そのおぞましい貞操帯を尻の下から当てがい、目隠しも外した。

「奥さん、ここからはオフレコや。今日からAVが出来上がるまで、この楽しいパンツをはいて貰う事になるで」
「ええっ!?」
「知っとるか。貞操帯っちゅうて、コレを着けるとセックスが出来へんようになるんや」
「そんなの、困ります」
「あら、恭子さんは毎日達也君としないといけないの?」
「そういうわけでは……」

 久美のからかいに口ごもってしまう恭子さんだが、こんな会話を続けながらどんどん本格的な貞操帯が嵌められてしまう。恭子さんはさほど抵抗せず、むしろ体を動かして装着を助けてしまう従順さだった。生来の素直な性格に加えて、二回も完璧にアクメを味わわされて、ますます大人しくなってしまったのだろう。典型的なマゾ気質の女性らしい反応だ。

「撮影の時、奥さんには今日みたいに本気で燃えて貰わなアカン。せやから少しの間、旦那とのセックスは我慢してや。いや、わてもかわいそうやと思うんやが、実はあの男の命令やねん」
「そうなんですか」
「そうなのよ。私も知ってるけど、ヤクザみたいな怖い人よ。恭子さん、とんでもない人に睨まれちゃったけど、羽黒さんが何とか丸く収めて下さるから、ちょっとの間だけの辛抱よ」
「あ、あの……よろしくお願いします、羽黒さん。撮影はどのくらいで終わりますか?」
「そうやな、あの男次第やが……ま、10回も撮ったらたぶん大丈夫やろ。次からは奥さんの都合がええ時に来てくれたらええで。うまくすりゃ一月も掛からへんで」
「ありがとうございます! 私、頑張りますから、本当によろしくお願いします」

 麻里のパトロンだと言う、存在しない「あの男」を引き合いに出して脅すと、恭子さんは面白いように騙されてしまい、俺の良心はズキズキと痛む。撮影は10回くらいと言ったが、それだけ今日のような性調教をエスカレートさせて施してしまえば、貞操帯で性欲を管理される恭子さんは恐らく夫の事など忘れて肉欲に乱れ狂い、二度と戻れない性奴隷の肉体に変えられてしまうに違いない。久美が同席する以上手抜きも許されず、俺はこの素晴らしい人妻に悪魔のような仕打ちを加えるよりないのだろうか。

 が一方、さっきいきなり本番行為の禁を破りたくなったように、半生を女の調教に捧げて来た俺の男の本能は、容姿も性格も性的にも最高の女性である恭子さんを貶め地獄の底に堕としてしまう事に、黒い歓びを覚えずにはいられない。今も貞操帯などと言うおぞましい道具を彼女の豊満な腰に食い込ませるように装着させながら、夫に隠れて性を管理され調教に狂わねばならない恭子さんの苦しみを想像すると、俺のシンボルは性懲りもなく強烈な勃起が治まらないのだ。

「奥さん、ココに小さな穴が開いとるやろ。オシッコは出来る筈やから心配はいらん。せやが、ココに網みたいのが入っとろう? これは自慰防止版、言うて、指を入れて一人エッチ出来んようになっとんのや。次からは道具とか使うて慰めたるさかい、オマンコが疼いても我慢やで、我慢」
「だ、大丈夫です、そのくらい」

ーーそうはイカンのやで。いずれエッチい薬とかも使わして貰うからの

 数日間性行為を我慢するくらい大丈夫だと答えるよりなかったろう。だが、強烈な媚薬を用いられたら禁欲自体が地獄の苦しみとなってしまうのだ。アタッチメントとして男根型バイブレータを入れて貰わねば体が保たなくなって来るだろう。そして、その男根は黒幕である守男のシンボルを象ったものだ。

「問題はウンチの方やの。奥さんは便秘でっか?」
「はい、どちらかと言えば」
「じゃ、撮影の時まで我慢してえや。出えへんようなら、浣腸してドッサリひり出させてやるさかい」
「えっ!? そ、そんなの、撮影するのですか?」
「まあ、あれだけの大金を稼ぐビデオやからな。本番とか、アンタの体を傷付ける事は絶対せえへんから、我慢してえな」
「大丈夫よ、顔は隠して貰えるんだし」
「わかりました。我慢します」

 浣腸は当然だがこのAVを騙った調教で、アナル開発は不可欠なメニューであった。本番は駄目でも、アナルなら……今日一日ですっかり恭子さんの魅力にやられてしまった俺の頭には、そんな不埒な計画も浮かんでいた。恐らく夫にも犯されてはいないであろうアナルの処女を、俺の怒張で突き破ってやるのだ。そのためには、太いモノを加える事が可能になるよう繰り返し調教して、尻穴に歓びを覚えさせながら拡張していく必要がある。前穴には守男のペニス型を、後穴には俺の改造ペニスをくわえ込んで、大歓びで何度も極めてしまうような奴隷女に堕ちた時、恭子さんの調教は完了だ。そして彼女は、黒幕である守男へと引き渡される……

ーー本当にいいのか? アイツにこんないい女を……

 こうして複雑な思いを噛み締めながら、恭子さんの調教初日は終了したのである。

 さてその後、AV撮影の名を借りた恭子さんの調教は順調に進む。久美がうまく手を回して勤務を調整し、夫の達也が病院で勤務し、かつ恭子さんが非番となる時間を極力作るようにしてくれたため、週2~3回のペースで彼女は俺の家を訪れ撮影を続けたのだ。初回は付き添って来て撮影に参加してくれた久美も、さすがに毎回とはいかなかったが、可能な時にはやって来て濃厚なレズ絡みを演じてくれた。

 恭子さんは男の味を知っている人妻だけに性的感受性も素晴らしく、おまけに貞操帯で禁欲させているものだから、俺の変質的なSM調教を易々と受け入れて、ビデオカメラの前で清純そうな若妻らしからぬ凄まじい痴態を演じてくれた。SMと言っても彼女の体を傷付ける恐れのある鞭打ちや蝋燭責めと言った苦痛を伴うプレイは一切なく、浣腸を初めとしたアナル調教に象徴される羞恥心を煽る色責めが中心だったが、夫に操を立てようとカメラの前でひどく恥じらい感じまいとする美しい人妻が、おぞましい変態性戯に心ならずも性感をこじ開けられてよがり泣きながら潮を吹き上げ次々に絶頂の恥を晒してしまうのだ。恐らくこれを本当に売り出せば飛ぶように売れるのではないかと思われる、質の高い無修正SMビデオが撮影されて、恭子さんは撮影中だけでなく俺の事を「ご主人様」と呼び、唯々諾々と命令に従うかわいい性奴隷に調教されてしまった。

 俺は約束通り本番行為は一切行っていないが、今やペニスを差し出せば恭子さんは従順に「ご奉仕」してくれる。彼女の大事な部分を貫いて調教しているのは、忌々しい事に守男のシンボルを精巧に象ったバイブレータである。ビデオの中ではコレを手にした俺やパニバンに装着した久美が用いて、探り当ててしまった彼女の膣内の泣き所を集中的に刺激してさめざめと泣かせてしまい、撮影が終了しても貞操帯の中に装着して四六時中守男のペニスに慣れさせてしまっている。それも初めの頃にくわえた強力な媚薬を塗ってから貞操帯を嵌める陰湿な焦らし責めに、オナニーすら禁じられた恭子さんの方が音を上げてしまい、自らおぞましいチンポ型バイブレータの挿入をおねだりしてしまったのだ。全く守男の思う壺であり癪だが、恭子さんはもう守男に抱かれる事を拒否出来ない筈だ。それどころか挿入されただけで魔性の快楽が込み上げて全身が歓びに打ち慄え、このビデオ撮影がとんでもない罠だった事に気付いてしまうだろう。あの達也と言う彼女の夫がよっぽどセックス上手であればわからないが、恭子さんがどう心で抗っても、夫より守男に抱かれた方がはるかに素晴らしい快楽をもたらしてしまうのである。俺と久美が通常の男ではまず無理と思われるテクニックを使い、守男のペニス型で恭子さんの女性器を蹂躙して強烈な快感を教えてしまったのだから。

ーーまあ、こうなった以上しゃーないな。後は恭子さんのおケツを頂いて、ボンに引き渡すとするか

 俺ももう守男の寝取り計画を非難する事は出来ないかも知れない。調教を通じてすっかり手名付けてしまった恭子さんに未練を抱き、最後まで手を付けていなかったアナルセックスの歓びを彼女に教えてから、この茶番劇のAV撮影を終わらせようと思っていたのだから。毎回のように浣腸を施し、舌や指、そして段階を追って徐々に太くなる調教具で根気強く調教した結果、恭子さんの尻穴は十分拡張されたと思われる。もちろん感度だって素晴らしく、守男のペニス型で前を責められる時に匹敵する、あるいはそれ以上の激しさでアナル調教に気をやってしまう恭子さんなのだ。夫にも使わせた事がないようだし、この素晴らしい人妻の尻穴バージンを奪うと同時に、これまで味わった事のない最高のエクスタシーを与えてやりたいと、俺は今仕事そっちのけで本心から願っている。考えている事は守男と変わりやしない。だけど、恭子さんはそれほど男を虜にしてしまう「いい女」なのだ。 
 
 こうして約一月が過ぎAV撮影回数も恭子さんにほのめかした10回に近付いて、後は彼女のアナルバージンを奪って調教のとどめとしようかと思っていた所、俺の予定にはないとんでもないちん入者が現れた。俺を騙してこの悪事に引きずりこんだ毒婦麻里である。コイツは守男の悪巧みの中心となって働き、恭子さんを貶めた最も罪深い女であり、AV撮影の事も守男から聞き出したのだろう、立ち会わせろと言って来たのだ。そしてどうやら見るだけでは飽き足らず、哀れな恭子さんを自分も責めたいらしく、撮影に参加させろと直訴しやがった。 

 俺はこの女麻里を調教してやったが、最後まで気が乗らなかったように、出来ればコイツを関わらせたくはなかった。俺、そして久美は、恭子さんにひどく淫らで恥ずかしい調教をくわえているが、俺のモットーで常にそうであるように彼女を大切に想い愛情を注ぎながら色責めを施しているのである。それは本来的な意味でのSMパートナーみたいなものであり、その証拠に恭子さんは毎回「よろしくお願いします」と丁重に頭を下げてから撮影に入っている。回を重ねる度にますます破廉恥極まりない痴態を晒してしまっている恭子さんは部外者が見れば酷い扱いのようでも、すっかりマゾ性が開花してしまってはしたない肉の歓びに溺れ、俺を信頼して身を任せているのだ。久美にしても然りで、本当に仲良く睦み合って激しく腰を振り、まるで競い合うように歓喜の潮を盛大に吹き上げている様子を見ると、妬けて来る程だ。

 だが麻里は明らかに違う異分子である。きっと文字通り「情け容赦なく」恭子さんをいたぶろうとするだろう。俺は今や演技でなく心から素直な気持ちで「ご主人様」と呼んでくれる恭子さんとのSM調教プレイに、麻里のような性悪女を介入させたくなかった。だが、下手に逆らったら社会的に抹殺されかねない権力者守男の威を借りた麻里を無碍にはね付ける事も出来ない。仕方なく俺は麻里が図に乗らない事を心から願いながら、あらかじめコイツが撮影に参加するための役柄を設定し打ち合わせてやった。それはやはり現実とオーバーラップしてしまい、恭子さんにとっては辛い設定だったのだが。

「あ、あの、これはお世話になりますのでホンのお礼のつもりで、成本さんと一緒に買って参りました。つまらないものですが、どうぞお受け取り下さい、ご主人様」
「おう、気が利くの、オメエら。ほんじゃせっかくやから、今日はこれを食うてから撮影しようやないか」

 その日共に細川病院の白衣を身にまとってやって来た恭子さんと久美は、手土産に地元の銘菓である饅頭を持って来た。久美は毎回何か手に提げて調教を受けに来ていた事を思い出したが、こんな殊勝な態度を取られたら、こちらもますます情熱を込めてかわいがってやりたくなると言うものだ。ある意味俺の手塩に掛けた調教の成果とも言える。一人暮らしの俺が早速皆で食ってしまう事を提案すると、もうこの家の勝手を知っている久美が言う。

「では、わたくしがお茶を入れさせて頂きます。よろしいですわね、ご主人様」
「おう、わての家の中は好きに使うてええぞ」
「あ、そんな事は私が」
「いいのよ、恭子さんは。こんな時くらいゆっくりしてらっしゃい。体中の水分を出さなきゃならないんですもの、ね」
「嫌ですわ、成本さん」

 だが、こんな和やかなムードは、恐れていた馬鹿女の一声で台無しとなる。既に家の中で待機していた麻里が、玄関先まで来てしまったのだ。

「おい、何言ってやがんだ、お前ら。一緒に饅頭食おうとか、バカも休み休み言いなっ!」
「おい麻里、構へんやろ。オメエも一緒に食うたらええやんか」
「自分の立場がわかってんのかよ! 特にそっちの背が高い方の女だよ。お前の亭主がしでかした事を言ってみろ、オイッ!」
「あ、あの、この度は主人が娘さんに大変失礼な事を致しました事を、深くお詫び申し上げます……」
「何が失礼な事だよ! テメエの旦那はなあ、アタシのかわいい娘をレイプしようとしたんだぜ! もっと、ちゃんと謝れっ!」

ーーどんだけ性悪な女やねん。レイプやなんて嘘八百の癖に、ようそないな事が言えるな……それにしても、参ったな。ブサイクな女は何着ても似合わへん

 麻里は何と撮影用の衣装だと言って、まるでS女王様のような全身革とエナメルのサジスチンスタイルの服装を着用していた。スタイルの良いセクシーな美人ならともかく、醜く贅肉のたるんだババアでは全く様にならず、ほとんど失笑ものだ。が、ドスの利いたダミ声で怒鳴り回して迫って来ると、それはそれで地獄からの使者のような迫力があり、恭子さんは顔から血の気がサーッと引いて、麻里に押されるままに土下座してしまっていた。

「主人の罪は、どうかお許しを」
「フン。初めからそうやって奴隷らしくしてりゃいいんだよ」

 麻里は何と靴下を履いた足で、恭子さんの美しいセミロングの髪を踏みつけやがった。醜いババアが絶世の美女を足蹴にするのは絵になる構図と言えなくもないが、早速調子に乗り始めた麻里を俺は諫めた。

「麻里、たいがいにせえや。見ろ、奥さん泣いとるやないか」
「全く男の人は甘いんだから。じゃあ、アタシのアシを舐めるんだよ! このくらいで許してあげる」
「オイ!」

ーーアカン、興奮してもうた。しゃーない、麻里もうまくコントロールしたるしかないな

 痛みと言うより屈辱で涙を見せながら、薄汚い麻里の靴下の先を舐めている恭子さんを見てドキッとしてしまった俺は、内心苦笑した。自分と月とスッポンのような美人の若奥さんである恭子さんに敵愾心を燃やして責めるであろう麻里が行き過ぎないよう注意するつもりが、イジめられる姿があまりに魅力的な恭子さんの泣きべそ顔についそそられてしまったのだ。

「もういいよ。どうせその調子で男のチンポを舐めてんだろうね、この淫乱女! 撮影に入ったら容赦はしないよ、覚悟しな」
「え、三倉さんも撮影に?」
「そうだよ。アタシャ、本当はアンタのダンナをとっとと警察に突き出してやりたいんだからね。わかってんのかい?」
「ど、どうか、それだけはお許しを」
「だけど会長の顔を立てて、示談ですましてやろうってんだ。そしたらヨメのアンタがAVに出て金を作るって言うじゃねえか。アタシャこのままじゃとても腹の虫が治まらないからね。そのAVに出て、アンタが心の底から反省するよう大恥をかかせてやるよ。わかったかい?」 
「わかりました。どうかお手柔らかにお願い致します」

 玄関先で足蹴にされた恭子さんは、正座して鬼のような形相の麻里に深々と頭を下げそんな殊勝な言葉を吐く。すると麻里の剣幕に押されて黙って見ていた久美が口を開いた。

「あの、三倉さんはどういう役柄なんですか?」
「アンタもAVに出てるんだって? 一体どういう風の吹き回しだい」
「今回の件は私にも責任がございますので。恭子さんにだけ辛い思いをさせるわけには」
「ハッ! 何をいい子ぶってんだよ。どうせテメエはAVなんか平気などスケベ女なんだろうが。そして、綺麗な後輩とレズって楽しんでる、と」
「違いますっ!」
「お前がど淫乱なビッチである事はよく知ってんだよ。何せ弟と……」
「やめて下さい! お願いです」

ーーン? こいつら知り合いか? ま、そやろな。どっちもボンの女なんやし

「おい麻里! 婦長さんはどうでもええやろ」

 どうやら麻里は同じ守男の愛人奴隷として久美にも嫉妬して敵愾心を抱いているらしく、恭子さんの前で隠さねばならない守男との関係を暴露しようとしたので、俺は慌てて止めに入った。麻里は意識しているのでなく、ただ無神経にしゃべってるだけなのだろうが、全く困った女である。久美が実は弟守男の女であり、ヤツの寝取り願望を満たしてやるために自分を貶める行動を取っていたのだ、と言う衝撃的な事実は、早晩守男に引き渡されてから恭子さんにもわかってしまうのだが、今はまだその時期ではない。

「ええか、お前ら。三倉さんは、夫が恭子さんと不倫していた妻と言う設定や」
「おかげでアタシは旦那と別れちまったんだ。だから憎いその女に高額の慰謝料を要求して、浮気夫にも裏切られたアンタは売られちまった、と言う楽しい設定だよ。ホントは、現実のままが良かったんやけど、かわいそうやから似たような設定で我慢してやるんだ。感謝しなっ!」
「そんな、ひどい……」
「何がひどいんだ? 未成年者暴行犯のロリコン変態野郎が夫の方がいいのかい? アタシャ構やしねえぜ。思う存分恨みを晴らしてやるよ」
「それだけは……」
「奥さん、堪忍してや。これはあくまでAVの中だけのフィクションやさかい」

 夫が麻里と不倫した挙げ句に自分を売ったと言う設定に、恭子さんは何とも憂いに満ちた表情になり再び涙を見せそうになったので、俺は困った。だが、恭子さんにとってさらに耐え難いであろう、ありのままの設定でいこうとした麻里をなだめ、何とか変更を納得させた結果なのである。本当は守男と組んで麻里が仕組んだ狂言レイプであり、恭子さんは被害者なのだが、この期に及んでそんな事は口が裂けても言えまい。権力者守男の逆鱗に触れて、俺の方が未成年者強姦魔として社会的に抹殺されるのがオチだ。悔しいが守男の企みに嵌まって二進も三進も行かなくなった俺には最早、恭子さん夫婦を助けてやる事は不可能なのだ。と、なれば俺に出来る事は、守男に引き渡すまでの調教で彼女に辛い現実を忘れさせ、夢のような極上の快楽に浸らせてやるだけなのに。俺は最後に現れた毒婦麻里の傍若無人ぶりに、コイツの方を緊縛してぶちのめしてやりたいと言う衝動と戦わねばならなかった。

「さあ、サッサと撮影に入って。アタシャ忙しいんだからね。この女どもをギチギチに縛り付けてやってよ」
「オイ、勝手な事抜かすんじゃねえ」
「どうして? 2人とも亭主の不始末で売り飛ばされて来たワケあり女なんでしょ」
「せやけど婦長さんは縛らへんのや。彼女の方はもうワテの言う事を何でも聞く奴隷に堕ちとる、言う設定で、心ならずも恭子さんを責めさせられるんや。せやから、オメエも婦長さんと一緒に仲良く、奥さんを責めたり」
「ねえ羽黒さん。鞭とかないの? そうだ、蝋燭がいいわ。アタシ、あれやってみたい」
「アホ抜かせ!」

ーーコイツ、又調子に乗りやがって。お前にもそんな事をしてやった覚えはねえぞ

 SMプレイと言えばすぐに頭に浮かぶであろう、鞭打ちや蝋燭責めと言ったハードな責めは、俺の調教レパートリーにはないのだ。肉体的な苦痛に被虐の歓びを覚えてしまう真性のマゾ女性など、滅多に出会えるものではない。

「おい麻里。なんぼAV撮影言うたかて、奥さんの体を傷付けたり、痕が残るような行為は厳禁やで。せっかく奥さんが旦那さんのために思うて、内緒で恥ずかしい思いして頑張っとられるのに、バレてまうやないか」
「別にバレたっていいんじゃないの? ねえ」
「あ、あの、申し訳ありませんが、主人にだけは知られたくありませんので」
「元はと言えば、その旦那のしでかした事が原因なんだから、見せ付けてやってもいいくらいだわ」
「ええ加減にせんか、麻里。奥さんの顔は隠す、体は傷付けない、そして本番はせえへん、ちゅうのが約束や」
「何ソレえ? バッカじゃないの。エロビなのに」
「それ以上ゴチャゴチャ抜かしよったら、お前の方を縛り付けて鞭でしばき回したるで」

 我を通そうとする麻里に、俺は声を荒げた。ビデオ撮影を騙り回数を重ねた調教で、せっかく築き上げて来た恭子さんとのSMパートナーとしての信頼関係を、こんな馬鹿女に台無しにされてはたまらない。だが、恭子さんも久美も麻里の横暴ぶりに諦めて、撮影の準備に掛かるべく白衣を脱ぎ捨て美しい全裸を晒そうとしていた。全く従順で性奴隷らしい「いい女」たちである。そしてまもなく久美は一糸まとわぬ姿になったが、長身の恭子さんのずいぶん高い位置にある美腰には、鍵がなければ外す事の叶わないピッチリと柔肌に喰い込む黒革の貞操帯が残った。

「ねえ、羽黒さん。コイツが貞操帯を外す所から撮影してよ。どうせぶっといチンポ型を嵌めてるんでしょ」
「いや、太うはない。ごく普通のサイズやで」

 今恭子さんの貞操帯の中に仕込んで股間にくわえさせているのは、リアルな男根型バーブレータ2本である。前部には、くそ忌々しい「ボン」こと細川守男のシンボルを模した物を、そして後部にはせめてもの抵抗で俺の形の物を味わわせているのだ。

「今からカメラ回したるさかい、余計な事しゃべるんやないで、麻里。設定をよう考えてもらわんと、全部ボツになるからの」

 いつものように恭子さんに目隠しを施してから、実際に固定したビデオカメラの撮影を始めると、さすがの麻里も口をつぐんだ。

「さ、奥さん。縛ったる前に、貞操帯を外して中がどうなっとるか見せるんや」
「ああ……恥ずかしいわ……」

 俺が解錠してやると、立ち姿の恭子さんは大柄な体を折りたたむようにして、黒革のT字帯に手を掛ける。そして未だに初々しい羞じらいを見せながら、唯一体に残っていた貞操帯を脱いでいったのだが、最後におぞましいペニス型バイブレータを自分の手でズルズルと前後ホールから引き抜いて見せねばならない。

「ああっっ!!」

 一般に女の部分に男性器を挿入するより抜き取る時の方が、女性はより一層感じてしまうものである。麻里の存在でいつも以上に被虐の快感を覚えてしまうであろう恭子さんは、守男の形のバイブレータを引きずりだしながら、つい悩ましい鼻声を洩らしてしまう。するとすかさず麻里が辱めた。

「何気分出してやがるんだ、このスベタッ! その嫌らしいまんこで、うちの亭主をたぶらかしたのかい? くそ、忌々しい……」
「さ、奥さん。後ろの方も抜かんと、脱がれへんで」
「はい。あっ!……ああ、ああ、ううんっっ!! た、たまりません……」
「ずいぶんとソッチも感じるようになったな、奥さん。どうや、オマンコとおケツと、どっちの方が気持ちええんや、正直に言うてみい」
「……オシリです。ああ、嫌だ、恥ずかしい……」

 アナルの方がより感じてしまうと真っ赤になって告白する恭子さんの色っぽさに、俺はズキンと高揚するものを覚えた。何しろ前部は守男だが、後穴を犯して歓ばせているのは、俺自身のペニス型なのだから。

「ではもう一つ質問や。旦那のチンチンと、バイブとどっちが気持ちええんや? 嘘付いたらアカンで」
「ああ、イジワルう……そんな事、言えません」

 裏地に取り付けられていた2本のバイブレータを何とか引き抜き、長い脚からオズオズと貞操帯を脱ぎ捨てながら、俺の不躾な質問に答をためらう姿が、恭子さんの本心を物語っていた。愛する夫を救うため羞恥と屈辱に耐えてAVに出演しながら、顔を隠し男性器の挿入を拒んで撮影に臨んでいる貞淑な人妻なのに、いつの間にか夫に抱かれるより卑猥なバイブレータで貫かれた方が良くなってしまったのだろう。

 もちろん恭子さんは初めてこの「守男」を象ったバイブレータを挿入された時、夫のモノでなくしかも血の通わぬ器具などにおかしな気分を出してはいけないと、しっかり身を固めて耐えようとしていた。だが、嫌がる女性の体をほぐし性的快楽で籠絡するのは、長年鍛えた俺の調教師としてのテクニックが最も発揮される所だ。それに騙されているのに俺に恩義を感じて頭を下げてしまう恭子さんの性格の良さも災いする。本当に毛嫌いしている女性を堕とすのは大変だが、そんな弱みを見せている恭子さんでは、俺や仲の良い職場の上司である久美の愛撫に易々と体を開かれ、守男の男根型バイブレータをアッサリ受け入れると、すぐさま弱点を見破った俺に集中攻撃されてはしたなく潮を吹き上げ極めさせられてしまった。そしてほぼ同時に並行して行われたアナル調教では、穴の拡張にやや時間が掛かったものの、程なく俺のペニス型バイブが恭子さんに背徳の快感を教える事になる。

 こうして数日おきの撮影の度に、俺と久美に操られてコッテリと恭子さんに性の歓びを教え込んだ2本のペニス型バイブレータは、その淫靡な女泣かせの機能も生身の比ではない。隣家くらいなら十分に操作が可能な強力なリモコンで動く男根型は、ジーッと激しく振動しながらランダムに首を振り、グリグリと体内を擦り上げるのである。さらに貞操帯内部でバイブレータが振動するとそれが伝わって共振するように設置された柔らかい卵型突起が股間の前部に突き出ており、これも撮影毎に繰り返された局所責めですっかり敏感で剥け易くなったピンクの尖塔にピトリと密着して離れず、恭子さんを悩ませている。撮影も進むと、貞操帯だけで立たせた恭子さんの股間に仕込まれた二穴バイブを交互に動かし、長身美女にダイナミックな尻振りダンスを踊らせながら気をやらせる、などと言うフェティッシュなプレイも取り入れた。そして今では一日中装着を強要されている貞操帯の中で、前後の淫穴を抉るバイブレータは常に微振動するよう設定されて、寝ても覚めても恭子さんの官能をチロチロと炙っている。その上俺と久美が所持しているリモコンが気まぐれに振動レベルを上げてやっているのだから、夫の前や仕事中でも密かに気をやってしまっている事だろう。生身の女体が愛する夫よりこの仕込みバイブに馴染んでしまい、背徳の快楽から逃れられなくなってしまっても仕方のない事で、誰も恭子さんを責められまい。

 さて答をためらった恭子さんの態度で俺は十分彼女の窮状を察して満足したが、そんな事は知らない鈍感な麻里は口ごもった恭子さんを罵った。

「何気取ってんだよ、この浮気女っ! お前のマンコは亭主より他の男や器械のチンポが好きなんだろうがっ!」

 いちいち取り合うのも面倒なので、俺は麻里を無視して恭子さんに話し掛ける。実害のある時だけ、コイツの相手をしてやれば良いだろう。が、現実には麻里の存在が恭子さんへの責めをより過酷で耐え難いものにしてしまうのは避けられないのだった。

「さ、奥さん。大好きな浣腸したるな。今日はお客さんが来とるけど、遠慮せんでいつものようにビチグソをまき散らせばええねんで」
「ああ、そんな……嫌です、許して下さい」
「恭子さん、いいのよ。私が綺麗に後始末してあげるんだから、ね?」
「で、でも!」
「どないした? えらい聞き分けの悪い奥さんやな。貞操帯しとったらウンチが出来へんから、出せる時に出しとかな、体に悪いんやで」

 久美もなだめようとするが、恭子さんはもう慣れっこになってしまった俺や久美だけでなく、麻里に排泄を見られる事に強い抵抗があるらしい。するとさすが鈍感な麻里もそれに気付いてズカズカとやって来ると、俺が静止する間もなく強烈な往復ビンタを恭子さんの両頬に炸裂させた。

「クソをひり出す所をアタシには見せられねえってのか! ナマイキだね。だいたい奴隷の分際でご主人様に逆らおうってのが間違ってんだよっ!」
「まあまあ。気持ちはわかりまんがな、手荒なマネは避けてえな」

 俺は一瞬麻里の狼藉を取り押さえて怒鳴りつけてやろうかと思ったが、撮影中だったと思い直して努めて穏やかにたしなめた。だが、麻里のビンタを喰らった恭子さんは、涙声でこんな口上を述べてしまう。目隠しの下から何か液体が光った気がするが、初めて受ける乱暴な扱いに相当うろたえているのかも知れない。それは俺が教えてやった事すらないのに、自然と出て来た完璧な奴隷言葉であった。

「ご、ご主人様。嫌らしい恭子のお尻に、お、お浣腸して下さいませ」 
「とっととケツを突き出すんだよ!」

ーーどうもやりにくうて敵わんな。ちったあ黙っとらんかい、このアホ……

「さ、奥さん、オテテは背中やで」

 ギャーギャーとヒステリックにわめく麻里だが、撮影中と言うタテマエもあり、黙っておけと叱りつけるわけにもいかない。俺は少々閉口しながら、この毒婦は無視していつも通り事を進めようとまず恭子さんの両手を背中に回して縄緊縛する。そして長身を前屈みにして大人しく突き出された恭子さんの蠱惑的な巨尻の狭間に、用意していたプラスチック製注射器のノズルを当てがった。すると麻里がいるせいか緊張した様子の恭子さんが辛そうに呻く。

「ううっ!」
「体の力を抜くんやで、奥さん。そないに固うなっとったら、痛いだけや」
「そうよ、恭子さん。私が手伝ってあげるわね」

 冷たい注射針がアナルのすぼまりに当たっただけでビクッとして声を上げる恭子さんに、久美が横から手を伸ばして胸と股間をまさぐり緊張を解きに掛かる。まあいつもの事だ。

「あら? イケない子ね、もうこんなになってるじゃない、ウフフ……」
「お前、どつかれて感じたんだな」
「ち、違い……ああっっ!!」

 久美は優しくソッと恭子さんの快感ポイントである乳首とクリトリスを摘んでやったのだが、これがスムーズに浣腸を施すテクニックで、急所を女の細指で弄られるとその心地良さがアナルの緊張を弛緩させるのである。そしてどうやら麻里にまでからかわれた通りで、強烈な平手打ちを喰らった恭子さんは興奮して恥ずかしい尖りをすっかり固くしてしまっていたらしい。巨乳の先端の蕾、そして股間のポッチリまでアッサリ探り当ててしまった久美も、驚いた口調で恭子さんの発情ぶりを指摘する。いうになく狼狽した恭子さんは、そんな反応を示してしまう自分のマゾっぷりを否定しようとするが、久美が指を動かし始めたのに合わせて俺が軽くプラスチック針をズブリと挿入しただけで、あられもない嬌声が迸り出る。ここまで激しく反応してしまうのは、麻里の存在とこの毒婦に痛め付けられたのが原因としか考えられない。

ーーこら、アカン。奥さんはもうイジめられて歓ぶどMに調教されちまったんや。もう観念して、思う存分イキまくりなはれ

 麻里の乱入でどうなる事かと思ったが、すっかり被虐体質に染まっていた恭子さんには心配無用だったようで、癪に障るがいつもよりド派手に乱れて恥ずかしい痴態をカメラの前で晒してくれそうだ。俺がままよと、注射針をズッ、ズッ、と打ち沈めていくと、その度に感極まったような悲鳴が上がる。そして、チュルッチュルッと痒みを誘発する刺激薬入り特製浣腸液の注入を始めると、その悩ましい感触に恭子さんはじっとしていなければならない桃尻をブルッブルッとおののかせて完全なよがり声を発し、窮状を訴えた。今や触れられただけで目がかすむ程感じてしまう、久美の指による急所の豆弄りもひどく応えているようだ。

「だ、ダメですう~っっ!! い、イッチャイそお~っっ!!」
「浣腸されて気をやるのかよ。呆れたメスブタだな、アハハ……」
「い、いきます! いくうううっっっ!!!」
「コイツ、ションベンまで洩らしてやんの、きったねえ~」
「いいのよ、恭子さん。後始末は全部私がやってあげるから」

 驚くべき事に浣腸液の注入だけで淫情に破れてしまった恭子さんは、激しく気をやりながらジョーッと失禁して久美の手を汚していた。あり得ない程敏感過ぎる反応に、身も世もあらず悶絶して恥じらう恭子さんを麻里はなじり、久美は優しくなだめ、俺は浣腸器を置いて全身にソフト縄を掛けていく。

「さ、奥さん、今日はお客さんのリクエストで、こんな楽しい縄をオマタに掛けたるからな。こっちへ来て、パカッとご開帳や」
「い、イヤ」
「ご主人様に逆らうなと言ってるだろうがっ!」
「まあまあ。奥さんのイヤイヤは好きと一緒やねんから、大目に見たってえな」

 ビデオカメラに向かって秘部を晒し、刺激コブを作った股縄を嵌められると言う恥辱に「イヤ」と口にした恭子さんに、すかさず麻里のビンタが炸裂する。が、俺がかばってやったように、恭子さんは口では嫌がっても従順だった。言われるがままにカメラの前に進むと、寝そべって長い脚を大きく開き、ストリッパーのように堂々と秘部を晒す。「無修正」が売り物のビデオだから、こんなお下劣極まりない性器クローズアップのモロ画像も、しょっちゅう撮影して来たのである。だが最近では素直になり過ぎて見せる事のなかった、恭子さんの「イヤよイヤよも好きのうち」状態に、俺は妙に興奮してしまった。股縄を嵌める事といい、麻里の思う壺みたいで癪に触るのだが。

「的を外れとったら正直に言うんやで。まず、クリちゃんはしっかり剥いてからやな」
「ああっ!」
「どや、具合はええかの? 奥さん」
「も、もう、おかしくなりそうです……たまりません、コレえ!」

 俺がカメラにしっかり収録されるよう位置を考えながら、どんな女性にとっても最大の性感ポイントである陰核を包皮から剥き出し、腰縄に繋いだしごきのような赤いソフト縄を結んで作った3つの刺激瘤の内、一番小さな物をめり込ませるよう調節すると、恭子さんは素直に快感を告げてくれた。一番難しく肝心なこの部分さえ押さえておけば、後は穴と言う目標があるから大丈夫だろう。

「ほうか、良かったな、奥さん。エッチになるクスリも塗っとるから、すぐに天にも昇るええ気持ちになれる筈や。お次はオマンコやで」

 続いて一番大きな結び目を女性器に没入させ、最後は中くらいの瘤である。

「今日はコイツでウンチを塞いだる。さ、おケツの穴を緩めて飲み込むんや、奥さん」

 こうして舶来の強烈な媚薬を塗りたくった三つの結び目を、クリトリスと前後ホールと言う股間の急所にガッチリ喰い込ませると、早くもきざしてしまった様子の恭子さんは悩ましく股間を捩らせ、単なる無修正モロ出しよりずっと扇情的な眺めとなった。俺はストリッパーも顔負けの股間アップがビデオにもバッチリ収録された事を確かめると、一気に股縄を引き絞る。

「ひい~っっ!!」
「どや、股縄のお味は?」
「たまりません……凄いです、これ……」
「ははは、そんなに利くかい、奥さん。だが、じっとしとってはホンマの股縄の味はわからんのやで。ほな、立ち上がって、カメラに向かいケツを突き出してみい」
「ああ~っっ!! ダメッ! ダメエ~ッッ!!」

 いつも以上に感じてしまう女体にとっては、凄まじく刺激的な事だろう。股間緊縛が完成した瞬間に強烈な悲鳴を張り上げた恭子さんは、俺が介添えしながら脚を閉じて立ち上がらせると、又ニュアンスの違った甘い泣き声を聞かせてくれた。これが股縄縛りの醍醐味であり、ちょっと体を動かすだけで急所に喰い込んだ結び目が擦れてエロティックな刺激となってしまうわけだ。二穴バイブ付き貞操帯に慣れてすっかり貪欲な体に堕ちた恭子さんにとっても、股縄と言う未知の快感は新鮮で淫声が出てしまうのを我慢出来ないようだ。

「では、カメラに向かっておケツをプリプリ揺さぶって自家発電して見せるんや、奥さん。演技では駄目や、本気でガッツリ気いやらなアカンで!」
「こ、こうですか……うふうんっっ!!」

 俺が目隠しされた彼女に撮影されている事を意識させながら、そんな卑猥な腰振りオナニーを要求し、見事な桃尻を軽くパンと手で叩くと、恭子さんは従順にクナクナとお尻を揺すり始める。途端に甘い声が洩れてしまう恭子さんは、気をやるために夢中で尻振りダンスに没頭するが、そうすると股間を締め上げた柔らかい瘤縄が伸縮して素晴らしく淫らな眺めになると共に、美しい人妻の官能はどんどん白熱していく。

「どや、奥さん。ケツの方は歯ごたえがあるやろう」
「ああ、いい~っっ!! ああ、ああ、う、ううんんっっ!! も、もおっっ!!」

 俺が悩ましく揺さぶられている巨尻を嫌らしく撫で回し狭間に指まで入れて、今や彼女にとって最も強烈な性感帯になっているアナルの歓びを意識させてやると、恭子さんはあられもなく快感を叫び、よがり泣くばかりになって来た。が、イキそうでなかなかイケないのも股縄責めの特徴であり、恭子さんは男を悩殺する事必至の卑猥過ぎる尻振りダンスを続けねばならない。「演技ではいけない」と注意したが、もうすっかり俺達の性戯に体を蕩かされて、かわいい性奴隷となった恭子さんが、そんな失礼なマネをする筈もないし、俺達の目を欺く事も出来ないだろう。長身を屈めて突き出した大きなお尻を一心不乱に振りたくって快感によがり泣きながら、なかなか訪れてくれない絶頂を得ようと悶絶する恭子さんは、まるで性愛の女神が地上に降臨したかのごとく魅力的で、濃厚な性フェロモンが発散し見ているだけでクラクラしそうだ。

 するとそんな悩ましく苦悶する恭子さんの姿にほだされたのか、久美が正面から彼女の両乳房に手を掛け耳元で囁いた。

「手伝ってあげるわ。気持ち良くおイキなさい」
「ああ、嫌っ! 恥ずかしいわ。あ、あ、い、いきそお~っ!」
 
 尻を振り股縄が擦れるだけの快感で体を燃やすアブノーマルなオナニーで気をやってしまうのは変態そのもので、相当恥ずかしい筈だ。ビデオカメラや麻里の視線も気になってやはりなかなか絶頂に到達出来ない恭子さんに、久美は乳房を揉み首筋をネッキングで愛撫して加勢してやったのである。いざとなると狼狽してしまい、嫌がりながら絶頂の予感を告げる恭子さんだったが、最早昇天してしまうのは時間の問題だ。ところがこんな肝心の所で、又も無神経な馬鹿女麻里が乱入する。

「何を乳繰り合ってやがんだよ、この浮気女どもがっ! 男狂いのお前の嫌らしいケツなんか、アタシが成敗してやる!」

ーーあ、このバカ! カメラの前に立ちやがって……

 麻里はせっかく素晴らしいアングルで撮影が続いているビデオカメラを塞ぐかのように入り込んで来たので、俺は内心舌打ちした。一応セクシーな女王様風衣装ではあるが、体の線が崩れたババアなのでほとんどお笑いになっており、とても正視出来た代物ではない。ここは編集でカットするよりないな、と思っていると、麻里は絶頂寸前の恭子さんのプリプリ揺れる豊満な尻たぼを、パーンパーンと猛烈な勢いで引っぱたき始めた。

「ヒ、イク! いくうう~っっ!!」
「キャハハハッ! ケツを叩かれて気をやっちまったのかい? ちょっとくらい綺麗だからって、気取ってんじゃねえよ、このスベタがっ! 人妻のくせに、全くザマあねえな」

 達する寸前だったのだから、それが引き金だったのかどうかわからないが、麻里は尻叩きで極めてしまったのだと口汚く恭子さんを嘲笑する。そして調子に乗って勝手にプレイを追加しやがったのだが、撮影中と言うタテマエもあり、俺も仕方なくコイツのやりたいようにさせてやるよりなかった。色白の恭子さんのお尻には、赤いミミズ腫れが出来始めていたが、まだ麻里を止める時期ではなかろう。

「オラッ! 休んでないでケツ振りを続けろっ! もう2回イカなきゃ承知しないからな!」

 こうして麻里に勢い良く尻を叩かれながら、恭子さんは健気に絶頂尻振りダンスに挑んでいく。久美が早くイカせてやろうと上半身を粘っこく愛撫しているから、2回くらいすぐにも何とかなって恭子さんのお尻に痣が残る程の重傷にはならないだろう。俺がそう思って麻里を制止せず見守っていると、確かに一度昇り詰めた恭子さんはたちまち声を張り上げて次の絶頂に達しブルブルと全身を切なく慄わせる。だが酷薄な麻里は容赦がなく休みなしで尻を叩き続けてさらなるアクメを強制し、とうとう3回目の絶頂に到達した恭子さんを悲劇が襲う。浣腸液で高まっていた便意が限界を超え、極めると同時に股縄をはみ出したビチャビチャの軟便がボトボトと太股を滴り落ちて、畳の上に大きな茶色い染みを作ってしまったのだ。

「うわ、きったねえ! クソを洩らしやがった、この女」

 尻を叩く手に掛けてやれば良かったのだがそうはならず、さっさと離れて行く麻里。恥辱の余り目隠しの下からボロボロ涙をこぼして打ちひしがれている恭子さんをなだめてやるのは、俺と久美の仕事である。麻里がやった事の後始末みたいで胸糞が悪いが、実際に浣腸したのは俺なので仕方ない。こういうアクシデントは予測してなかったが、カメラの前で浣腸し排便姿を晒させてから、俺達の手で優しく後始末してやるのも、いつもの事である。

「いいのよ、恭子さん。私がキレイキレイしてあげるからね」
「そうやで奥さん。これは生理現象やから、何も気にする事はあらへん。婦長さん、悪いが尻穴の中まで念入りに拭いたってや。この後、使うんやかさかい」
「あ、あの……どうもすみません。ありがとうございます」

 カメラの前で大恥を晒してしまったと言うのに、排泄の後始末をする俺達に気を遣って、そんな殊勝な言葉を口にする恭子さん。見るのも嫌だとばかりに遠ざかってしまった麻里は、かつて俺に自分の出した物の始末をさせても当然と言う顔をしていたし、お前が処理しろなどと言おうものなら、逆ギレしてしまうような女である。コイツには理解出来ないだろうが、これが俺達をSMプレイのパートナーとして信頼している「性奴隷」恭子さんの姿なのだ。

 だが、もうじきこのAV撮影と同時に彼女との蜜月も終わる。プライベートな時間さえ二穴バイブ付き貞操帯で管理される過酷なSM調教が終われば、自分も、ねつ造された未成年者レイプの罪で脅されている夫も無罪放免となるものだと、恭子さんは信じ切っているだろうが、俺達はその信頼を裏切らねばならない。何の罪もなく、そして俺達を信頼してくれている素晴らしい女性を、愛する夫から引き離し絶望の底に突き落とす事に激しい呵責の念を覚えずにはいられないが、せめてもの罪滅ぼしで最後に予定していたアナルセックスまでは恭子さんに優しく性の深淵を覗かせ、全身全霊で愛してやろうと思っていたのである。それだけに予期せぬ麻里の乱入がうとましい。

 さて股縄を嵌められたままの脱糞と言う予期せぬ事故が起こったものの、おかげで邪魔な麻里は汚物を嫌がり距離を置いて離れてくれた。俺と久美は甲斐甲斐しく後始末をすますと、いよいよ恭子さんを歓ばせにかかる。大恥をかかされたショックで泣きじゃくっていた恭子さんだが、汚れていた体を久美の手で丁寧に拭かれていると次第に落ち着き、股縄を外されこの後「使う」と予告していた尻穴の中に突っ込まれた指でクニクニと後始末されるのに官能を妖しくかき乱されて、いつしかアンアンとよがり泣きを始めてしまっていた。浣腸液の中にも縄の結び目にも媚薬を使っていたのだから当然とは言え、かわいらしい奥さんである。俺は大柄な恭子さんをうつ伏せにして、頭を持ち引き寄せた。

「ご奉仕やで。今日は後ろをヤッたるから、しっかり励んや」
「はい、ご主人様」

 相変わらず目隠しされている恭子さんは、俺が痛い程張り切らせた怒張で口元を突いてやると、ビクッと全身をおののかせて口をアーンと開ける。そして俺が勝手知ったる彼女の口内に肉棒を押し入れていくと、久美が綺麗に拭いたばかりの美尻を抱え込んだ。

「よしよし、いい子ね。オマンコちゃんには、私がご褒美をあげるわ」
「うんん~っ!」

 久美は腰に付けたペニスバンドでバックから貫いていったのである。すると俺にガッシリ頭を掴まれペニスで占拠された口元から鼻に掛かった悩ましい悲鳴を洩らす恭子さん。それが苦痛や嫌悪でなく絶大な歓喜を示すものである事は、愚鈍な麻里にもわかるのだろう。遠くから罵声が飛ぶ。

「何だい、人妻のくせにニセちんぽを突っ込まれてそんなに嬉しいのかよっ! ビッチもいい所だな、呆れたよ……」

 俺は麻里が余計な言葉を発しないかヒヤヒヤしていたが、さすが馬鹿女だけに久美が腰にたくわえていた人造ペニスが守男の男性器を模したものである事自体、気付いていないようだった。アイツにも用いて調教してやった筈だが、もしかすると全くわかっていなかったのか。まあそれなら好都合である。現在寝ても覚めても、このバイブレータペニスで貫かれて調教されている恭子さんはすっかり慣らされて、受け入れただけで全身の淫らな血が熱くざわめき、どうしようもなく興奮してはしたなく女襞を絡み付かせて悦楽を貪ってしまうまでに、女性器が躾けられてしまったのだ。この後守男に引き渡されてヤツに無理矢理犯された時、初めて自分の体がどうしようもなくこの男に順応するよう変えられてしまった事に気付くだろうが、まだそれを知らせてはいけない。

「よしよし、そないにええんか、奥さん」
「うふふ、すっごい締め付けね~」

ーー久美のやつ、一体どんな気持ちで……

 久美のペニスバンドで貫かれた途端に、より一層情熱的な口技を発揮し始める恭子さん。こんないい女が相手なら俺だってまだ二発や三発出せる筈で、込み上げて来る射精欲求のままに尻穴の力を緩めながら、恭子さんを一番歓ばせる角度で巧みに突きを入れている久美の心情を慮った。久美は一般人には理解不能な旧家の習わしで、幼い頃から腹違いの弟守男を姉弟の範を超えて愛し、自ら望んで愛人奴隷として一生を弟に捧げる決意をした女である。その最愛の弟守男の不道徳な寝取り願望を叶えてやるため、彼女は人妻であり仲の良い職場の部下である恭子さんを、守男のシンボルを象ったペニス型で性の歓びにのたうち回らせているのだ。久美はそのペニスを本当なら自分の中に入れて愛して欲しいであろうに、恭子さんにご執心の守男は今や抱いてもくれないと来ている。激しいジェラシーの炎を燃やして気持ちが萎えても当然なのに、恋敵となる恭子さんを慈しむように優しく、しかしツボを反らさぬ手管でしっかりと歓ばせている彼女の複雑な胸の内は俺には全くうかがい知る事が出来なかった。
 
「ハハハ、奥さんはもうそのチンポなしでは生きられへん、はしたない女に生まれ変わったんや」
「さ、もうご主人の事は忘れて。何度イッテもいいのよ、恭子さん」
「ングウウッッ!!」

ーー恭子さん、堪忍やで。これは撮影だけやない。アンタはホンマに、守男のチンポの虜になってもうたんや

 夫の借金のカタに性奴隷となるべく売られた人妻、と言うAV撮影での設定は残酷にも現実を反映したものなのであり、しかも恭子さんは本当に奴隷として守男に売られてしまう運命なのだとはまだ知らない。だが彼女の体は最早完全に実際の夫を裏切っており、久美のペニス型に突かれるままに、演技でなく本気で激しいエクスタシーの高みに昇り詰めてしまうのだ。そして恭子さんがビクンビクンと痙攣するように全身をおののかせて絶頂に達すると同時に、俺もドッと欲情の証を彼女の口中にぶちまけた。

「お前、ホントにチンポ狂いなんだね。男なら誰でもいいのかよ。さすがはアタシの亭主と浮気しやがっただけの事はあるな」

 いつの間にか近くに戻って来ていた麻里が、派手に気をやり口内射精した俺のペニスを従順にクチュクチュと後始末している恭子さんに、呆れたように言った。いくら調教してやってもザーメンを飲む事が出来ず、吐き出してしまう馬鹿女麻里から見れば、恭子さんは男なら誰でも良い淫乱女と言う事になるのだろう。だが俺はそれを否定してやりたかった。本番だけは避けて来たものの、繰り返し「ご奉仕」させて来た俺の肉棒だからこそ、恭子さんは嬉しそうに出された精液を飲み干し、一滴も残さず舐め取ろうと後始末の「お掃除フェラ」に励んでくれるのだ。男なら誰でも良いなんてわけがない。

 そしてもう一本彼女の体を徹底的に躾けて来たペニス型で貫いたまま、久美はじっと離れようとしない。それは最愛の弟のため、彼の男根の形を恭子さんの女性器に刻み付けてしまおうと言う執念を感じさせる行動だった。悔しいが約束通り俺のペニスは一度たりともその部分に入った事はない。撮影期間中貞操帯で夫婦間の性行為を禁止されている恭子さんは、もう夫のペニスの形を忘れてしまっただろうか。そんな筈はないと信じたい気持ちと、守男のペニス型で乱れまくってしまう恭子さんの痴態に如実に表れている調教の成果の達成感で、俺の心中も実に複雑だ。

「婦長さん、場所を交代や」
「はい、わかりました」
「ちょっと! アタシにも参加させろよ」

 いよいよ恭子さんのアナルバージンを頂くつもりで俺は久美と持ち場を代える。そして自分の出番がなくて不満そうな麻里にも責め道具を与えてやった。クライマックスはコイツも参加させて、恭子さんが完璧に失神するまで責めてやろう。

「そこらに転がっとる道具を適当に使うて、奥さんを歓ばせたってや。旦那の事を忘れさせて、イキ狂わせたるんや」
「わかったわ」

 麻里は辺りを見繕って、AVでは定番の「電マ」を2本手に取ったようだった。素人だろうがAV女優だろうがその刺激に耐え切れる女性はおらず、必ずイカせてしまう最強の女責め電動具である。

「さあ奥さん、お尻の穴に入れたるで。力を抜いて楽にするんや」
「はい、ご主人様」

 いよいようつ伏せになった蠱惑的な尻たぼを開き、さっきの献身的な「ご奉仕」ですっかり回復した怒張の先端をあらぬ箇所に触れさせると、そんな奴隷言葉を口にする恭子さん。俺は感激に頭を痺れさせながら、ゆっくり力を入れて彼女の処女アナルにメリメリと肉棒を侵入させていった。

「あーっっ!! あ、あ、あ……」
「痛いか、奥さん」
「だ、大丈夫です」
「ほな、気持ちええんやな」
「……わかりません。きつ過ぎて……」

 それが正直な感想なのだろう。俺は少なくとも恭子さんが嫌がってはいないと察して勇気を得ると、残っていたシンボルを一気に押し込んでしまう。嫌がる女に淫行を強要して俺とのセックスを忌み嫌わせてしまったら、調教師としては最低だ。仮に初めは嫌われていたとしても、あの手この手を使って女を興奮欲情させ、自分から淫行をせがませるのが調教師の腕と言うものだ。

「大丈夫や。奥さんのお尻の穴はもう十分出来あがっとんのやから。ホレ!」
「はあっっ!! 凄いい~っっ!!」
「痒い痒いのがないなって、最高の気分やろ、奥さん」

 撮影の度に浣腸による強制排便を晒させてから、指や舌、そしてアナル用のさまざまな淫具を用いて必ず何度も思いを遂げさせてやった恭子さんの尻穴はもう十分に拡張され、性交で歓びを得る事が可能なように開発されている。そもそも生身で繋がるのは初めてだが、寝ても覚めても股間を管理している貞操帯の内部では、前だけでなく後ろの穴も男根型バイブレータを味わわせているのだから。それは初めはボールペンみたいな小さな筒具だったが、徐々に太く大きくなって、今では既に俺自身のシンボルを象ったアナルには過酷なまでのバイブレータペニスとなっている。後は本物でとどめを刺してやるだけだ。

 さらに今日の浣腸液の中には媚薬も配合されており、恭子さんはもう開発されたアナルを痒みでウズウズさせて刺激を待ち望んでいる状態の筈だ。これだけ入念に準備を重ねたアナルセックスは、当然ながら初めてでも実にスムーズで、俺がズッと突きを入れて奥の奥まで完全に押し入ってしまうと、恭子さんは明らかなよがり声を出してくれた。

「では、このままひっくり返るで」

 うつ伏せの恭子さんに覆い被さってアナルと結合した俺がそう言うと、その意図を察した久美が手伝って、俺が下で恭子さんが上になるよう体を入れ替えた。それから彼女のカモシカのような長い美脚を頭の上まで折り畳むようにして上げさせ、大事な部分をパカッと開帳させてこれ以上ない卑猥な姿勢に導く。カメラの前で俺の改造ペニスに後穴を貫かれたまま、女性器をモロに露出させてしまったのである。

「ではガッツリ潮を吹かせたるさかい、婦長さんは乳でも揉んだってえな」
「わかりました。さ、恭子さん、キスしましょ」
「オイ! アタシにもやらせろよ」
「いろんな所にブルブルを当てたり。奥さん、全身が性感帯やからな」

 俺がすぐに恭子さんの熱く蕩けた大事な箇所に指を含ませ、合わせ目の敏感な芽も剥いて弄る「指マン」の体勢に入ると、久美は唇を奪い、優美な巨乳を柔らかく掴み締める。そして仲間外れで不服そうだった麻里も、言われた通り邪魔にならぬよう体中のあちこちに電マをちょんちょんと当て始めた。この体勢だと俺は動けないが、初体験の強烈なアナルセックスだけに、貫いているだけで十分なのである。下手に動いて痛みを覚えさせるのは下策で、他所の愛撫による快感で恭子さんが身を捩らせれば、それがアナルの刺激に直結してますます悶絶してしまう。このくらいがちょうど良いのだ。

 現に恭子さんの狭小なアナルの中はまるで真綿のようにきつく俺の肉棒を包み込むと、キュンキュン物凄い締め付けを見せている。多少痛いかも知れないが、それより彼女が歓んでくれている事は、自由な俺の手が捕らえたマンコの状態でも明らかだった。「潮を吹かせる」と言ったが、既に欲情を露わにした恭子さんはジュクジュクと大量の花蜜を吹きこぼしており、俺がクリ豆を転がしつつ中に含ませた二本指をクチュクチュと激しく動かして膣内の快感スポットを刺激してやると、たちまちビューッとくじらのごとき大量の潮が見事な放物線を描いていた。

「ハハハ、あっと言う間やったな。前を後ろを同時にエッチされるのは、たまらへんやろ、奥さん。この味を覚えたら、もう普通のセックスでは絶対に満足出来へん。旦那の事は綺麗サッパリ忘れて、俺達の性奴隷として一生過ごすんやで、ええか」
「んん~っっ!!」
「お、まだ亭主に未練があるんか? 奥さん。アンタも往生際の悪い女や。さ、もう二三回吹かしたろな。そしたら婦長さんのチンチンと交代や。一生忘れられん、ええ気持ちにさせたるからな」

 潮吹き直後に手を休めてわざとらしく夫の事を持ち出すと、恭子さんはイヤイヤと頭を振って何やら呻いたが、久美に唇を奪われて言葉にはならない。俺に処女地のアナルを犯されたまま、久美に唇を吸われつつ乳房をネットリと揉み解され、麻里の電マであちこちを刺激されている彼女が、性の歓びで忘我の境地にいる事は間違いないが、それでも「旦那の事は綺麗サッパリ忘れて」と言う言葉に拒絶反応を示したのである。現実とオーバーラップするような見事な演技と言いたいが、残念ながらもうこれは架空の話ではない。恭子はもしかすると自分の運命に薄々勘付いているか、平凡な主婦なら一生味わう事もないであろう過激な性調教の興奮で、虚実がないまぜになって混乱してしまったのかも知れない。いずれにせよ、俺はさらなる喜悦で恭子さんに現実を忘れさせてやるべく、指も折れよと渾身の指技で、もう二回、三回と立て続けに潮を吹かせてやった。

「さ、交代や。婦長さん」
「アタシじゃないのかい?」
「あ、そのお道具はお乳に当ててやって下さい」

ーー恩に着るで、久美。電マなんぞ使われた日にゃ、俺のチンポが保たねえ

 俺がベトベトの粘液で納豆のような糸を引いている指を抜いて交代を告げると、勘違いした麻里が電マを股間に向かわせようとしたが、久美がすぐに遮ってくれた。あの強烈な振動は確かに女泣かせであり、連続絶頂地獄に追い込む事も出来るのだが、女性にとって本当に幸せなアクメではないと俺は考えている。やはりペニスの挿入によらなければ本当に満足は出来ない筈で、だから俺は電マなどはあくまで補助器具に使い、本物であれ偽物であれ必ず膣に挿入してから女に思いを遂げさせてやる主義なのだ。それにアナルに挿入した状態で前部に激しい振動を加えられては俺の方がヤバい。快楽に貪欲な体を持つ女性ならイキ地獄にも耐えられるだろうが、男はそうはいかない。電マから伝わる強烈な刺激で射精させられたら、せっかく恭子さんのお尻を愛している勃起を保つ事が出来なくなってしまう。

 さて素早く麻里の介入を防いでくれた久美は、俺の意図通り大開脚した恭子さんに上から覆い被さると、股間のペニスバンドを再び女性器に挿入していく。アナルセックスだけでも相当な難行だが、二穴セックスとは究極の荒技で、AV撮影とバイブレータ付き貞操帯による一月あまりの濃厚な性調教で、ようやくここまでこぎつけたのだ。もちろん女性の体の事など何も気遣わず、ただ二穴に突っ込むだけなら猿でも出来るだろうが、体を損ねる事がないばかりか、通常のセックスの何倍もの快感を与えてやろうと思えば、地道な尻穴の訓練開発が必要なのである。

「ほおお~っっっ!!!」

 準備万端の状態で二穴を埋められていく恭子さんは途端に生々しい悲鳴を張り上げ、久美がゆっくりと動き始めると、わけのわからぬ痴語をわめきながら昇天していく。麻里もその迫力に押されてやや下がると、遠慮がちに電マを汗みずくでユサユサ揺れる乳房に当てがったが、完全に添え物だった。

ーー恭子さん、これが俺からのはなむけや。最後にガッツリ気いやってえな

 久美がゆっくりとだが着実なストロークで守男のペニス型をクシャックシャッと抜き差しするのに合わせ、俺も渾身の力で大柄な恭子さんの巨尻を両手で抱え少し浮かしたり沈めたりして、アナルに刺激を与えてやる。久美がグッと押し入れば、俺は引き上げ、久美が引けば俺がズンと突き上げる絶妙のコンビネーションで、程なく絶頂の悲鳴を咆哮した恭子さんは連続イキ状態に陥る。だんだんその間隔も短くなると、しまいには一ストロークされるだけで極めてしまい、遂に白目を剥き完璧に失神してしまった。

 恭子さんが気絶している間に、俺は貞操帯だけを嵌めて鍵を掛けた。旦那が帰って来るまでまだ時間があったが、久美と麻里も帰して2人切りになると、強引に起こす。

「奥さん、よう頑張ったな。撮影は後一回で終わりや」
「本当ですか!」
「ああ、ホンマや。あの男もそない言うてたからな。今日のビデオの出来なら文句ないやろ」
「ありがとうございます!」
「それより、早う服を着なはれ。わての方が落ち着かんわ」
「はいっ!」

 失神している恭子さんから縛めの縄だの首輪だの手錠だのを外し貞操帯を嵌めたものの、全裸に毛布を掛けてやっただけだったのだ。あんなエロエロのビデオを撮影しておいて何だが、目隠しを外した毛布一枚の恭子さんにパッチリした目で見つめられると、こちらの方が妙に気恥ずかしい。この淫らなAV撮影もようやく終わると聞いた恭子さんの口調は弾み、意気揚々と来た時の白衣を身に着け始めると、俺の良心は激しく疼いた。こんな善良で美しい人妻を、卑劣な権力者守男に愛人奴隷として引き渡すなんて。

ーーまだ時間はある。その間に何とか彼女を救う方法を考えるんや

 これまで散々考えても妙案が浮かばず、弱みを握られた俺は結局守男の言いなりになって、恭子さんにAV撮影を騙った淫靡な性調教を存分に施してしまったのだから、既にどうしようもない事はわかっていても、そう思わずにはいられない。騙されているとも知らず明るい笑顔で着替えている彼女と居たたまれない気持ちで、俺は席を外し台所に立った。麻里の乱入で邪魔されたお茶を入れるためだ。そして彼女が持って来てくれた饅頭を食べながら話をしたい。男の一人暮らしで慣れない茶を入れながら、もう最後かも知れない恭子さんとの会話に胸がときめいている自分に気付き、俺は苦笑する。何と言う事だ。俺はこの容姿も気立ても理想と言って良い人妻に、本気で惚れてしまったらしい。ヤクザな調教師稼業を生業として来た俺は、数え切れない程の女を抱いて来たが、特定の女と親密になる事は一切なかったし、人並みに所帯を構える事など初めから諦めていた。仕事と割り切って次々に女の調教を手掛けて来たからだが、還暦目前のこの齢になって、遠い昔に忘れてしまった恋する少年のような気持ちになってしまうなんて。恭子さんに守男が熱を上げるのも道理だ。

「奥さん、茶入れて来たで。旦那が帰るまでまだ時間はあるやろ。一緒に饅頭喰うてまおうで」
「あ……どうも、申し訳ありません、ご、ご主人様」
「ハハハ、撮影やないんやからやめてくれ。そないな事言われたら、ケツがこそばゆいわ」
「でも……こんな物頂いてよろしいのでしょうか?」
「せやから、そないにかしこまらんといてえな。男一人暮らしやさかい、甘いもんを仰山貰うても困るがな」

 こうして俺は密かにドキドキしながら、恭子さんとのティータイムを実現する。改めて見る恭子さんは白衣の天使と言うには大柄過ぎる感じだが、モデルのような長身美脚で整った美人顔は、俺が少年時代に好きだったアクションスターの美人女優みたいだと思った。こんな二十歳近く年下の女性に心を動かされているのが恥ずかしく、俺はいつも以上に饒舌にしゃべるが目を合わせる事も出来ない。それにしても恭子さんはすっかり落ち着いた麗しい大人の女性の姿で、とても二穴ファックに狂乱してイキまくった挙げ句気絶してしまった淫女と同一人物とは思えない。調教師の経験を通じて、女のしぶとさ、逞しさは十分理解しているつもりだったが、改めて認識させられる気分であった。

「奥さん、今日の貞操帯は勝手が違うやろ」
「い、いえ、そんな事は……」
「チンポがのうて、寂しいかも知れんがの」
「もう! 嫌ですわ、恥ずかしい……」
「ご主人とのエッチは、もうちょっと我慢してえな。オナニーもしてはアカン。最後の撮影では、チンポが欲しゅうて欲しゅうて、夫を裏切って自分からおねだりしてしまう、はしたない人妻を演じて貰うんや。出来るか? 奥さん」
「ああ……頑張ります」
「そのためにも、マンコとオシリノアナを目一杯ウズウズさせとってえな。三日後が最後の撮影やで、ええな? 奥さん」
「……はい、わかりました」

 この所一日中装着されていた二穴のペニス型バイブレータが外されて、自分でも三日間の禁欲が相当辛いものになる事がわかるのだろう。恭子さんは自信なさそうだったが、了解してくれた。申し訳ないが、俺の精魂込めた性調教の結果、もともと性感に恵まれていた恭子さんは完璧に旺盛な淫欲を植え付けられ、一日も男なしでは過ごせない程性の歓びに貪欲な体に仕上げられてしまった筈だ。何しろ生理中で女性器が使えない時でさえ、乳房やアナルの調教をメインにAV撮影は強行されたのだ。それは一刻も早くAV撮影を完了させたい彼女の意志を尊重したものだったが。

「ところでな、奥さん。最後の撮影には例の男が見に来る。ヤツから最終オッケーが貰えるように頑張ろうな、奥さん」
「はいっ! こちらこそ、最後までどうかよろしくお願い致します」

ーーくそっ! 俺はどんだけ悪い男やねん。死に損ないのお前の人生など、終わっても構へんやろ。何とか知恵を絞って、恭子さんを助けたらんかい、このボケッ!

 強い意志を感じさせる理知的な瞳を大きく見開き、キッパリと決意を口にして頭を下げる恭子さんに対し、もう何も掛けてやり言葉が見つからなくなった俺は、押し黙って饅頭を口に運ぶ。恭子さんには、麻里のバックにいる暴力団関係者だと匂わせているが、「あの男」、すなわち守男は、実際に次の最終撮影にやって来る。そして恭子さんを生身の男性自身で貫いて、本気で燃え上がり腰を振って歓迎してしまうであろう痴態をビデオに収めて、彼女を強奪するつもりなのだ。ヤツの強権をもってすればもっと強引に恭子さんを奪う事も可能だろうが、「寝とってしまった」証拠を突きつけて、若夫婦に離婚を迫るのだと言う。その時点で何も知らない恭子さんが、守男に抱かれて女の歓びの極みをさらけ出してしまうのは避けられない。いや、もし罠だったと悟っても調教された体は抵抗出来ず守男になびいてしまうに違いないのだ。その、誰が見ても明白に自分を裏切り、守男に抱かれる歓びにトチ狂っている妻の痴態を見せられて、気弱そうなあの夫がどんな反応を示すだろう。仮に夫の態度が煮え切らないでも、恭子さんの方が夫婦生活を続ける事に耐えられないであろう事は目に見えている。これはAVの撮影で演技なのだと言う言い訳は、夫は欺けても自分自身を納得させる事は出来ない。

 守男が企んだ、荒唐無稽なまでに希有壮大な計画の、最も重要なパーツを心ならずも背負い込まされてしまった俺は、クライマックスを目前にして無駄かも知れない抵抗を試みようとしている。いや今さら無駄な事はわかっている。万一俺が身の危険も顧みず、恭子さんに全てを打ち明けて守男の毒芽から逃れるよう忠告したらどうなるか。俺と夫の人生は終わり、恭子さんも逃げ切れず捕まって、「文字通り」愛人奴隷として監禁され一生を終える、より一層過酷な悪夢が待っている事だろう。この地では誰も逆らえない専制君主に等しい力を持つ守男なら、それが可能なのだ。感情に任せて犬死にしても仕方がない。俺に出来る事があるとすれば、ヤツを説得して考えを改めさせる事だろう。だが、守男がこの寝取り計画に投じて来たであろう気の遠くなるような金を思えば、それが不可能に近い事も又わかり切っているのである。

「あ、あの、ご主人様……いえ、会長さん」
「会長でも羽黒でも、好きなように呼んでくれたらええわ」

 頭の中が堂々巡りに陥って黙ってしまった俺に、恭子さんの方が話し掛けてくれた。

「この、腰の物は」
「ああ、もちろん撮影が終わったら外したる。ご主人とエッチ出来るようになるで」
「いえ、そういう意味では」

 恥ずかしそうに貞操帯の話をする恭子さんに、嘘をつき通すよりない俺は申し訳ない気持ちでいっぱいだ。そして無力な自分に俺は自暴自棄になってついゲスな事を言ってしまう。

「あんな奥さん、これは冗談やで。もしここで一発ヤらせてくれ、てお願いしたら、アンタわてに抱かれてくれるか?」
「え!? それは……」
「わてな、恥ずかしいがアンタを好きになってもうたらしい。アカン、と思うても、わてのチンチン、今カチカチやねん」

ーー何を言うとるんや。アホか! お前は。ボンと同レベルになってどうする

 頭の中では、ついそんな本音を打ち明けてしまった自分を叱りながら、俺の口は止まらない。もうどうにも出来ないと言う閉塞感が、俺を突き動かしたのだろう。だが、恭子さんの予想外の反応が、おかしくなりかけた俺を正気に戻してくれた。

「わかりました。だけど、絶対主人には内緒にして頂けますか?」
「わあ、待った待った! 冗談言うたやろ、冗談やて」
「すみません! 私、てっきり本気かと」
「心臓止まってまうかと思うたわ」

 本番行為を承諾して、白衣を脱ぎ始めてしまった恭子さんにビックリした俺は慌てて止めた。彼女とヤリたい、と言うのは正直な気持ちの吐露だったが、ここで約束を反故にしたら守男と同じだ、と言う意地だけで理性を保ったようなものだ。そして恭子さんの次の言葉に、俺はもう参ってしまう。

「勘違いして申し訳ありませんでした。会長さんが、私を抱きたい、だなんて思うわけないですよね」
「何やて!?」
「私、撮影なんかで凄く恥ずかしい気持ちになってしまう、汚れた女ですから。親身になって助けて下さる、会長さんに抱かれるような価値なんかありませんわ」
「恭子さん……アンタ、汚れた女なんかやないで」

 信じられないような自分を卑下する言葉と共にグスンと涙ぐんだ恭子さんを見て、不覚にも俺まで涙をこぼしていた。

「それどころか、ご主人のために、辛い目におうても頑張られとる、立派な奥さんやないか。なんぼ嫌らしいAVなんぞに出ても、アンタの心はキレイやで、奥さん。人の表面だけ見て判断するんは、アホのする事や。冗談や言うたけど、アンタを好きになって、抱きたい、思うたんはホンマや、わての本心やで」
「……ありがとうございます、会長さん」
「ご主人を愛しとるんやろ? 冗談にも、抱かれていいだなんて言うてはアカン。浮気はイカンで、浮気は」

 正気に戻って恭子さんに説教までしてしまう俺の頭の中はしかし、ドス黒い想念で破裂しそうだ。自分の言葉とやろうとしている事とのギャップが大き過ぎて、人格を保つ事すら難しい気がした。そしてそんな俺を又しても恭子さんが救ってくれる。話題を変えてくれたのだ。

「あ、あのう、会長さん。大変図々しいんですが、主人との事を相談させて頂いてもよろしいですか?」
「ああ、撮影が終わってからの事やね」
「はい」

 撮影を重ねるに連れて、恭子さんと俺はどんどん打ち解けて、かなりプライベートな話まで交わす仲になっていた。本番はしない、と言う奇妙な条件だが、それ以外はドギツイ無修正SMビデオで性調教するご主人様と奴隷女と言う関係を演じた仲なので、恭子さんは他の誰にも相談出来ないような夫との夜の生活の悩みまで打ち明けてくれていたのである。俺なりに整理した問題点は次の通りだ。夫の達也は年下でもあってとても気が弱く、夜の生活も恭子さんが完全に主導権を握っている。それはいいが、まだ子供が出来ないのが一番の悩み。おまけに昨年辺りから、夫が性交直前に萎えてしまう精神的インポに陥る事が多く、何とか挿入にこぎ着けても、今度は中々膣内射精が果たせない、と言う問題点が浮上して来た。子供を切望している夫婦にとって、これは笑えない深刻な事態である。

ーーもうそんな心配もいらんようになってまうんやがな。イヤイヤ、まだ何か打開策がある筈や、諦めるな!

 守男の思惑どおりになってしまえば、こんな夜の悩み事相談も無意味だなと思いつつ、俺は恭子さんにアドバイスを送る。諦めるな、と言う言葉は、実の所自分に向けたものでもあった。

「まだ2人とも全然若いんやさかい、諦めてはアカンで、奥さん。ご主人の方から誘って来る事は、一切あらへんのやったな?」
「はい、お恥ずかしいのですが」

 夫から誘う事は全くないと言う事を聞き出していたから、俺も堂々と貞操帯を恭子さんに嵌めて短期間で調教を完了させてしまったのである。だが、最後の最後にそれがとんでもない事態を引き起こそうとは、この時はまだ予想も出来なかった。

「インポとか射精出来ん、言うんは精神的なもんやからな。やっぱいろいろ趣向を凝らして、ご主人にその気になってもらうよりないやろ。コスプレとか、外でヤるとか、SMとか」
「やはりまだ私の努力が足らないのでしょうか」
「いやいや、奥さんもよう努力しとられるようやがの」

 今俺が口にしたような行為は既に試してみたと、恭子さんに聞いている。それなりに効果はあったようであるし、路線としては間違ってないだろう。だが、俺は恐らく彼女には思いつかないであろうプレイを教えてやろうとし、同時に稲妻のようにある奇想天外な考えが頭をよぎったのである。

ーーもしかすると、守男も丸め込めるか知れない

「あんな、SMっつうても、女の方が縛られたりイジめられたりするだけやないで。反対もある。ご主人の方を縛ったりして、奥さんの方が責めるんや。どや? やった事ないやろ?」
「そんな事は……主人が承知するかどうか」
「奥さん、アンタは背が高いし別嬪さんや。SMの女王様はよう似合うと思うで」
「そんな! 変な事言わないで下さい」

 ついでに言えば気の弱い夫はいかにもM男っぽい。俺は考えれば考える程、恭子さんがSで亭主がMと言う組み合わせがピッタリのような気がして来た。

「それからな、こういうプレイもあるで。お二人がエッチしとる所を、わざと他人に覗かせる。これはかなり刺激的やから、相当な効果があるで」
「そんな……」

 俺が覗いてやってもいい、と言うゲスな提案は控えたが、もしも夫がM気質なら覗かれて興奮する事も大いにあり得る。恭子さんは当然ながら、とんでもない、と言う表情で困惑気味だったが、構わずとどめの提案をしてやった。

「もっと上級になると、ご主人を縛り付けて、奥さんが他の男にヤられる所を見せ付ける、言うプレイもある。世の中いろんな性癖の男がおってな、そういうので興奮して一気にインポが治る場合もあるんやで」
「信じられません」
「今のは極端過ぎるがな、要するに男女の事でタブーを作ってはイカン、どんな変態な行為や思うても試してみるべきや、っつう事や」
「わかりました。大変有益なアドバイス、どうもありがとうございます」

 最後はボヤかして誤魔化したが、礼儀正しく玄関先でも再度深々と頭を下げて帰って行く恭子さんを見送りながら、俺は頭に浮かんだアイディアで守男を説得するよりない気になっていた。が、うまくいくような自信はまるでない。そして、恭子さんの残り香の感じられる家の中で一人になると、俺自身とても楽しく夢のようだった彼女の調教も終わってしまったのかと寂しさが込み上げ、様々に相反する複雑な思いが頭を去来した。俺はもう使われなくなる二本の男性器型バイブレータを畳の上に置いて、しげしげと眺める。自力では取り外しの出来ない精巧な貞操帯の中に仕込まれ、一本は恭子さんの女性器、もう一本は排泄器官に入り込んで、貞淑な人妻を夫以外の男性器の形に強制的になじませるよう、今日まで奮闘して来た調教具であった。

ーー男と言うのは全くアホでスケベな事に情熱を傾けるもんやなあ……

 改めて卑猥としか言いようのない二本のペニス型を見ていると、そんなしょうもない感慨を覚えた。俺と守男の男性器をそっくりそのまま象った複製であるが、昨日までさんざん使って来たリモコンコントローラで動かしてみると、ジジジと小刻みに慄えながらクネクネと首振りダンスを踊り始めた。守男の形をした方を手に取ってみると、痺れるような激しい振動が伝わって来る。全体のサイズは二本に余り差はないが、カリがやたらデカいのがヤツの特徴で、少し嫉妬を覚えてしまう。

ーー姉ちゃんしか女を知らんかったインテリのくせに、毒キノコみたいな立派な形をしてやがるな。それにしてもこんなブルブルでまんこをかき回されちゃ辛抱たまらんかったやろな。根元はクリから外れんよう仕込んどったし、こないにクネクネ動かれちゃ、どうやっても気持ちええとこに当たってまうわ

 隣の家くらいまで十分到達する強力なリモコンを操り、恭子さんが夫の前で快楽に悶絶してそれを隠そうと懊悩してしまう姿を想像しながら、俺自身楽しんで来たのである。撮影時にドッサリ出したにも関わらず、想像だけでシコシコと励んでしまった事さえある。それは憎い守男のペニス型で恭子さんを楽しませていたのに。何たるアホか。

ーーせやが、おケツのバージンを奪ってやったのは亭主でも守男でもない。この俺や。それに誰も知らんやろ。恭子さんのアナルはおまんこより強烈に感じてまうんやで

 そうだ。二穴バイブ付き貞操帯調教でも、前の穴は守男に譲っているが、実は一番感じる恭子さんの尻穴を一日中抉って楽しませていたのは俺のペニス型なのである。性奴隷調教が終わってしまっては何の意味もないのだが、俺は優越感を覚えていた。

 だが三日後になれば、恭子さんは守男の女となってしまう。あのエロスの化身のような素晴らしい肉体を賞味するチャンスは永久に失われてしまうのだ。結局果たせなかったオマンコと合体する事はもちろん、生ゴムのように強烈に締まるアナルを犯したり、プロはだしのオクチのテクを楽しむ事も二度と出来ない。

ーー俺はアホや。せっかく恭子さんがヤらせてくれる、言うたのに

 ヤケクソ半分冗談半分のセックスのお願いを承諾してくれた彼女を犯してやらなかった事を後悔してしまう。だがそこまで考えた俺はハッと気付いて愕然とした。いつの間に俺は、まるで恭子さんが自分の女であるかのように思い上がっていたのか。彼女は夫のものであり、俺にはもともと何の権利もないのである。これでは恭子さんの寝取りに血道を上げる守男と同じ穴の狢ではないか。

ーーもしもあの考えが受け入れられたら、俺だって恭子さんと……

 そうだ。あんないい女を独り占めしようだなんて、ヒモ状態だったボンクラの亭主には過ぎた事なのだ。そんな夫でも熱愛している恭子さんのため、夫婦関係を継続させ、かつ守男も納得させる奇想天外な提案を、是が非とも実現させねばならない。一番の問題は恭子さん自信の気持ちだ。いくら愛する夫と別れなくてすむ唯一の方法だと言っても、不道徳極まりない関係に彼女は耐える事が出来るだろうか。それに夫や守男だって、説得出来る自信が俺にあるわjけではない。

 だが後三日あると思っていた、俺が思い悩むだけの時間は与えられなかった。その不測の事態は翌日の夜起こったのである。たった一日の禁欲でも恭子さんの貪欲に改造された股間は、前も後ろも男を求めてウズウズと猛烈に疼いていたのではないか。そして還暦目前で恥ずかしいがそんな恭子さんに惚れてしまい、彼女がどんなに辛い思いをしているだろうかと隣家が気になって仕方なかった俺には、異常事態が発生した事もすぐにわかってしまう。まず、これまで一度も聞いた事のない、恭子さんの大きな悲鳴。超ラブラブな若夫婦にとって、初めての修羅場のような喧嘩だと推測された。そして今は一台しかない恭子さん専用の車が急発進する音。俺はもうほぼ正確に事態を把握していた。

 夫から夜の生活を求められる事は全くないと聞かされていたので安心していたのだが、恭子さんの腰に装着されている貞操帯がバレてしまったのだろう。そして問い詰められた恭子さんは、いたたまれなくなって家を飛び出し逃げ行ったのではないか。俺は努めて何も知らないフリを装い、玄関から外へ出る。すると案の定、風呂上がりみたいな姿の夫達也が、一人呆然と戸口に立ちすくんでいるではないか。

「すんまへん。奥さんはご在宅でいらっしゃいますやろか?」
「あ、いえ、今出ていますので」
「いつ頃お帰りになられますかの?」
「え、えと……今日は夜勤ですので、帰りません」

ーーこのドアホウ! さっき車が出てく音聞いてたんのやで。それにお前の嫁はんの勤務状態も、こちとら全部お見通しなんやっ!

 俺は妻に去られて明らかに動揺し、何とか取り繕おうとするばかりの情けない夫を見切り、一旦家の中に戻った。この状況で恭子さんが向かうのはどこか? 俺は事情を知っている久美まで相談に行くに違いないと確信し、彼女に連絡を入れてみる事にした。恭子さんが一番頼りにしているであろう、直属の上司で仲の良い看護師長はしかし、本当は黒幕の一人だ。実の弟守男の言いなりで、恭子さんを弟の愛人奴隷に堕としてしまう寝取り計画の中心人物なのであるから、そんな彼女に相談してしまっては……俺は最悪のシナリオを想定し、残念ながらそれは当たってしまった。

 久美の携帯電話が繋がらず、彼女が病院で勤務中である事を示していた。恭子さんもそれを知っているとすれば、向かった先は細川病院。守男はいないかも知れないが、状況次第で久美が呼び出すだろう。「飛んで火に入る夏の虫」とは正にこの事か。そして俺はその慣用句を地で行き、過酷な愁嘆場に身を投じる覚悟を決めると家を出る。すると隣家の前では、まだ達也が魂を抜かれたような表情でデクノボウのように突っ立っていた。全く使えない男だが、コイツも連れて行くよりない。

「おい、山田はん! 奥さん、家を飛び出てったんやろ?」
「い、いえ、そんな事は……」
「わかった、言わんでもええから、はよ車に乗れ! 事情は後から説明したるさかい。奥さん、大変な事になっとるんやでっ!」

 俺は気弱な亭主に有無を言わさず、オンボロの軽自動車に押し込み細川病院へと向かった。その間お互いに無言で実にいたたまれないが仕方ない。俺は何もしゃべろうとしない恭子さんの夫を見て、かつて俺が経営していた古書店に通い詰める貧乏学生だった彼の姿を頭の中で回想していた。オドオドと周囲を気にしながら、ほとんどタダ同然の汚い中古のエロ雑誌を何冊か見繕っては、無言でレジに持って来たものである。ブルセラ系とSM系ばかりだったな。そんな事も思い出せるくらいの常連だったのに、口を利いた覚えは一切ない。もっとどぎつい女子中高生の使用すみ下着だのアダルトグッズやビデオだのを置いてあった奥のコーナーに興味津々のようだったが、そこへ足を踏み入れる勇気すらないような小心者で、今もその性格は全く変わっていないようだ。

ーー何でこんな情けない男と恭子さんが……いや、こんな男やからこそ、恭子さんは惹かれとるんかも知れんなあ。間違っても守男を選ぶような、計算高い女ではないんや、あの人は……

「主人も私も片親だったんです。それで親近感を感じちゃって」

 仲良くなった恭子さんが、亭主と付き合い始めたきっかけをそんな風に話してくれた事を思い出す。俺も女手一つで育てられたんだと言うと、彼女は嬉しそうに少し微笑んでくれた。恐らく楽な暮らしではなかっただろう。貧乏生活の辛さがわかっている筈の恭子さんなのに、大資産家の守男に見初められて求婚され、何の苦労もないバラ色の生活が約束されようかと言うのにそれを拒み、あえて甲斐性なしの年下男に操を立て苦労する道を選んだのだ。そんな天使のような女性だったからこそ、俺は立場も年齢も忘れて夢中になり、渾身の性調教を施してしまったのだと思う。なのにそれが、彼女の遠ざけた守男に略奪されるためのものだとは、何たる不条理か。

 結局俺が達也に口を利いたのは、細川病院に着いてからだった。駐車場はところどころ明かりが点いているが薄暗く、病院の建物もほとんど窓が暗い。が、院長室と思われる所には明かりが点いて確かに人がいる気配が漂い、俺は緊張して口を開く。

「ええか、覚悟しいや。アンタの奥さんが院長先生に言い寄られとったんは知っとるやろ? 今きっと奥さんはヤツに捕まって、アンタと別れるよう迫られとる筈や。そないな事許されるわけがあらへん。奥さんを取り戻しに行くんや」
「え、それって、一体どういう事ですか」

 俺だって恭子さんの所在を確かめているわけではない。あの、明かりが点いているように見える院長室に守男や久美がいると言う保証もないし、完全な肩透かしかも知れないのだが、この時なぜかこの病院で恭子さんは守男に捕まってヤツの女になるよう迫られているに違いない、と俺の勘が強く働いていた。それが外れていても、早晩達也は守男と対決しなければいけない運命である。コイツがいかに気弱な腰抜けでも、簡単に愛する妻を手放すような事はあるまい。俺はいつの間にか達也に肩入れして、悪知恵の働く権力者守男に臆せず戦ってくれるよう願っていた。俺はこの若夫婦が別れずにすむ提案を胸に潜め、切り札として使うつもりだが、無駄な抵抗でも達也には最後まで諦めない姿勢を見せて欲しいのだ。それはとりもなおさず、恭子さんのため。愛する夫が自分のために争ってくれず、易々と守男の軍門に下ってしまったら、恭子さんはどんなにか悲しむ事だろう。俺は死んでも彼女のそんな顔を見たくはなかった。

「奥さんはたぶん、院長室におるやろう。アンタ、奥さんを愛しとんのやったら、絶対に負けたらアカン。院長をぶん殴ってでも取り返すんや。アンタにはその権利がある」
「……話が全然わからないのですが」

 俺が激情に任せて口走った「ぶん殴る」などと言う行為はまるで出来そうにない、ひどくオドオドした態度の達也を連れて、俺はまっすぐ院長室へと向かう。彼には申し訳ないが一連の悪だくみを全て明かすには時間がなかったし、何より俺自身が関わって恭子さんに加えてしまった淫らな仕打ちの事を夫に知らせるなんてとても出来なかった。

ーーああ、俺は卑怯者やな。この情けない男を笑えんで。くそう! こんな事にならなければ、もっと冷静に守男を説得する手立てを考えたのに……

「すまんな。今全部教える事は出来ん。せやが、わてを信じて付いて来てくれまへんか? 奥さんのため、一生のお願いや」
「……わかりました」

 話が見えないなりに、妻の失踪と言う事態の深刻さが何とか伝わったようで、俺は再び口を閉ざすと達也と一緒にエレベーターに乗り込む。目的の階に近付くに連れて、どんどん高まる不安で、ドキドキする自分の心臓音が聞こえて来た。状況もわからず、恭子さんを奪還する有効な手段も持たないままで、敵のアジトに飛び込むようなものだ。夫を連れて行っても、これぞ正しく「飛んで火に入る……」なのではないか。

 この日の俺は残念な事に悪い方にばかり働く勘が冴え渡っていたようだ。「ボン」と気安く呼び、若造だと守男を見くびっていた事や、久美は俺達の味方になってくれるのではないかと勝手に期待していた事など、すぐに後悔する羽目に陥ったのである。

「お待ちしておりました」
「お、おい、久美。一体どういうつもりや」
「申し訳ありません。お二人とも私達の言う通りにして下さい」
「悪い冗談はやめてえな」
「冗談ではありませんよ。姉さんが持っているのは外国製の強力なスタンガンです。死ぬ事はない筈ですが、保障は出来ませんね」
「ドアを閉めて下さい」
「久美っ! お前、気いでも狂うたんか」

 院長室のドアを開け一歩足踏み入れた所で、俺達は一歩も動けなくなってしまった。見た事もないような酷薄な表情を浮かべた久美が、奇妙な拳銃をまっすぐ俺達に向けて構えていたからである。それは愛する弟のために覚悟を決めて、自分と親しい女性を寝取らせると言う悪事に手を染めようとする中年女の、暗い情念がこもったような鬼気迫る迫力だった。口調こそいつもと同じ上品で丁寧なものだったが、ドアを閉めろと言う命令に従わないと、久美は一瞬の躊躇もなくニードル拳銃型のスタンガンをぶっ放し、俺達の横の壁に何本もの鋭利な針が立ってキラキラと光る。俺達は仕方なく慎重にドアを閉めると、両手を上げてホールドアップの姿勢を取った。

「気が狂ったか、ですって? そうかも知れませんわ。でもこれは、かわいいモリオ君のため。貴男たちに邪魔してもらっては困りますの」

ーーアカン。これはマジで気い触れとるかも知れんで……

 愛嬌のあるファニーフェイスを凄艶な表情に溶け崩しスタンガンを構える久美は、俺が知っている優しく上品な上流階級の淑女とは別人で、まるで悪霊にでも取り憑かれているみたいだった。いつの間にか全身から冷や汗が滴り落ち、情けないほど全身がガタガタ慄えてしまう。隣の達也も同じような状態のようだ。何をしでかすかわからない狂女ほど怖いものはない。

 時間が止まったかのように恐ろしく長く感じられるホールドアップの間、俺は部屋の中の様子を探った。正面のやや離れた大きな院長机には守男が座っていたが久美ともども白衣姿で、俺の恐怖に拍車が掛かる。そして、恭子さんは? と見ると、そこにいた。無残にも貞操帯だけの全裸に剥かれて机の横に正座し、後ろ手錠に首輪で机に繋がれている。口にはボールギャグが嵌められ、こぼれた涎と涙でもう顔はグシャグシャだ。  

 眼鏡を掛けた守男はいつものように無表情で感情を表さないが、時々恭子さんの方に視線をやり、軽く巨乳を弄ったりして満足そうである。ふと見ると、そんな守男にジッと視線を送っている久美が、顔を歪める。瞳に醜いジェラシーの炎が浮かんでいるように、俺には見えた。

ーー久美は一生を弟に捧げた女や。それなのに、「かわいいモリオ君のため」に、自分よりずっと美形で年下の恭子さんを、愛人として用立ててやるとは……頭がおかしゅうなっても、無理はないわな

「それではお二人とも、服を全部脱いで下さい。抵抗してはいけません。モリオ君もスタンガンを持ってますから、恭子さんが痛い目にあわされますわよ」

 確かに守男の方は、体に押し当てるタイプの護身用スタンガンを机の上に置いていたが、急展開のショックですっかり意気消沈していた俺達に、抵抗する気力がある筈もなかった。数分後、俺達はスッパダカで正座し、久美の手で後ろ手錠を嵌められ首輪を壁に繋がれていた。守男が口を開く。

「さて、わざわざお越し頂き、ありがとうございます。これなら話が早い。ご主人にお話があるのですが、よろしいでしょうか?」
「答えなければ、痛い目にあってもらいますわよ」
「は、はい」
「単刀直入に申しましょう。私に奥さんを譲って頂きたいのです」
「そ、それは……」
「姉さん、暴力はやめましょう」

 返答に詰まった達也に、久美はスタンガンの照準を合わせていた。

「私は紳士的に、話し合いでご主人に納得して頂きたいのです」
「何が紳士的や、ボン。これはお前……暴力そのものやないか」
「羽黒さん。おかしいですね、どうして貴方がそこにいらっしゃるのですか」
「絶対、許さへんで。わてが訴えたら、お前らブタ箱行きや!」
「羽黒さん。警察なんか役に立ちませんわよ。貴男が一番良く御存知でしょうに」
「……」

 久美の痛い指摘に俺は言葉を失い、厳しい現実に直面せざるを得なかった。細川守男はこの地では、警察ですら意のままに操る力を持っているのであり、だからこそ俺も恭子さん寝取り計画に加担せざるを得なかったのではないか。だが俺は精一杯抵抗して悪態を吐きかけた。

「警察は当てにならんでもな、お前らのやろうとしている事は人として許されん事や。天罰が下るで。お前ら地獄行きや!」
「羽黒さん、自分だけ善人のような顔をされるのは、私としては納得出来かねますね。ご主人、ここに面白いビデオがありますので、よくご覧になって下さい」
「んん~っっ!!」
「ちょっと待った!」
「あらあら、恭子さん。ご自分の都合が悪いものだからって、隠す事は出来ませんわよ。羽黒さんもですわ。ご主人、しっかりご覧になって。目を反らしたりしたら、容赦はしませんわ……」

 こうして恭子さんと俺の抵抗もむなしく、膨大な無修正SMビデオが大画面テレビに映し出され始めたのだった。


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続く→第三部 細川守男編
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