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「ありさ姫 地獄槍」作:Shyrock

(この小説は「愛と官能の美学」のShyrock様より投稿して頂いたものです。)

ありさ姫 地獄槍


第一話“裏切り”

 時は天正七年三月、絶望の中、白装束をまとい磔台に拘束されたありさ姫は遠い山並をぼんやりと見つめていた。
 山並の向こうにはありさ姫が生まれ育ったふるさと野々宮がある。
 だけど野々宮には父であり城主の野々宮新八郎も大好きな母ももういない。
 死を目前にしたありさ姫ではあったが涙は流さなかった。
 たとえ戦に破れても誉れ高き野々宮城主の子女として、潔く戦乱の世に散ろうとしていた。
 野々宮はわずか十万石の小国ではあったが、君主野々宮新八郎の長女として生まれたありさ姫は十八才になる今日まで、新八郎の手腕もあって国が戦火に見舞われることもなく日々平穏に暮らしていた。
 しかしそんなありさ姫の身に突然不幸が襲った。

 以前から野々宮氏は北に位置する黒岡氏と敵対していたが、野々宮氏の東隣国下川氏と同盟を結んでいたために黒岡氏を牽制していた。
 ところが下川氏の先代当主下川信英が病死し、その後継者として嫡子の下川信孝が城主となった頃から野々宮氏に暗雲が立ち込めた。
 というのもこの下川信孝という人物は実に腹黒い男で、城主になるや否やすぐさま黒岡氏と密約を結び、こっそりと野々宮氏を攻める手筈を整えていた。

 最初に動いたのは黒岡軍であった。
 国境附近に黒岡軍兵一千が攻め入ったため、野々宮軍はそれを迎撃するため新八郎は兵千五百を引きつれ出陣した。
 しかしどういう訳か黒岡軍は川向いに陣取ったまま動こうとはしない。
 両軍は対峙したまま一昼夜が経過した。
 黒岡軍の動向を訝しく思った新八郎は危険を感じ取り、急遽兵を引き返そうとしたが時はすでに遅かった。
 野々宮軍の背後から下川軍二千が猛攻を仕掛け、同時に川向いの黒岡軍が一気に押し寄せてきたため、野々宮軍は両方から挟み撃ちをされる形になってしまった。
 勇猛果敢で名を馳せた野々宮軍ではあったが、両方から攻撃をされては堪らない。
 またたく間に野々宮軍は壊滅し、君主野々宮新八郎は無念の最期を遂げた。
 まもなく新八郎討死との知らせが野々宮城に届いた。
 思いがけない君主討死の報に残された兵の多くは戦意を喪失し、城の明け渡しを余儀なくされた。

 母はまだ十五才の嫡男景勝と長女のありさ姫を呼び寄せ、「そち達は死んではなりませぬ。必ず生き延びるように」と涙ながらに告げた。
 ありさ姫と景勝は母とともに自刃して果てることを望んだが、母はそれを許さず、ありさ姫達はわずかの配下の者とともに泣く泣く山中に落ちていった。
 ありさ姫たちが無事に城を脱出するのを見届けた母は、側近の武将とともに自害して果てた。。

 景勝たちが峠に差し掛かったとき、少しでも目立たないようにとの思惑から、景勝とありさ姫は峠で一旦別れそれぞれの道を進むことになった。景勝は東の道を、ありさは西の道を・・・
 しかしこれが姉と弟ふたりの今生の別れとなろうとは果たして誰が想像しただろうか。

 西の山道を歩くありさ姫とわずかな家臣たち、あと二里ほど進めば父と親交のある喜多氏の領内に逃げ込めるというところまで差し掛かったとき・・・
 ついに天運尽きたか、ありさ姫は敵方に発見され捕縛されてしまった。

 暗い牢獄に閉じ込められたありさ姫は「景勝の居所を吐け」と脅迫され、連日連夜、容赦のない拷問が加えられた。
 他人に指ひとつ触れられたことのない柔肌は哀れにも傷だらけになってしまった。
 それでもありさ姫は景勝の行方には一切口をつぐんだ。
 縛られてうな垂れるありさ姫のそばで、憎き親のかたき黒岡源内がつぶやいた。

「いくら拷問しても白状せぬようだな。このまま喋らなければ明日死ぬことになるが・・・よきや?今のうちに吐かば命のみは助けてやってもよいぞ」
「ううっ・・・知らざるものは知らず!さあ早く殺すべし!」
「ふむ、そうか。いかにすれども吐かじな。仕方がなし。では気の毒なるが明日処刑を執行することになるぞ。ありさ姫、余を恨むでないぞ。これも戦国の世の習いというものじゃ。がっはっはっはっは~!」
「くっ!この卑怯者め!下川と組みおって!地獄に落つべしな!」
「ふん、ほざけ。地獄に落ちるのはうぬの方じゃ。ありさ姫、さらばじゃ」



 翌朝、城の近くの小高い丘に穴が掘られ、磔台の柱がゆっくりと差し込まれた。
 基礎部分に土が埋められ磔台がしっかりと自立していく。
 磔台にはすでにありさ姫が白装束を着せられ緊縛されている。
 どこから聞きつけたのか、早くも多くの観衆が刑場へ詰めかけていた。

「あのあねさまが野々宮氏の姫様なのか。ほほう、さすが気品があってきれいだね。姫様なんておらぁ見たことがねぇからのそくさ拝ませてもらおう」
「お姫様だけあって堂々とした振る舞い、さすがだねぇ」
「あんなかわいいあねさまっ子が処刑されるのか?ふびんだね。南無阿弥陀仏・・・南無阿弥陀仏・・・」
「何でも下川が裏切っておれたちの殿様と組んだとか聞いたが?」
「これ、滅多なことを口にするんじゃないぞ」

 ありさ姫は静かに瞳を閉じて、幼い頃、弟景勝と遊んだ野々宮城内の紅葉林を思い浮かべていた。



第二話“見せ槍”

(景勝・・・無事に生き延びておくれ・・・私はまもなく露と消えてしまうけれど、あなたは生きながらえて野々宮家を再興するのよ。それが私の最期の望み・・・景勝・・・どうかご無事で・・・)

 磔台に緊縛されても凛とした態度を崩さなかったありさ姫であったが、弟景勝の無事を祈っているうちに、目頭から熱いものが零れるのを禁じえなかった。

 刑場はいつのまにかぎっしりと人垣で埋まっている。
 敵国の姫とはいっても一般庶民にはさほど利害関係などない。
 彼らにとっては高貴なお姫様の処刑場面が目前で拝めるなどまるで夢のような話なのだ。
 人々はこぞって磔刑場に詰め掛け、少しでも良い場所に陣取ろうと血眼になっていた。
 その大半が興味本位で集まってきた烏合の衆であったが、中には磔台に縛られた可憐なありさ姫の痛ましい姿に涙する者もいた。

 まもなく槍を持った二人の処刑執行役人が現れた。
 ざわついていた見物人たちが一瞬にして静まり返り沈黙が訪れた。
 執行役人の一人がありさ姫に告げた。

「姫、残す言葉があらば述べられよ」

 ありさ姫は毅然とした態度で答えた。

「ない」
「さようか。ではお覚悟を」

 二人の執行役人が磔台の左右に分かれて位置を固めた。
 そして槍を構えた。

「えいえいや~!!」

 二人の執行役人は掛け声をあげて、ありさ姫の目前で槍を一度交叉させた。
 これは“見せ槍”である。
「今からこの槍で突くので覚悟しろ」という合図なのである。
 ありさ姫は静かに目を閉じた。
 執行役人が見せ槍をしたあと、槍先をありさ姫に向けたその時であった。

「待て!!」

 処刑の執行に待ったを掛ける声が轟いた。
 槍を構えた執行役人の腕がぴたりと止まった。
 それもそのはず、待ったを掛けたのは城主の黒岡源内であった。

「待て。まだ殺すでないぞ」

 執行役人は槍を引いた。

「本日は我らが盟友下川信孝殿がお見えになっておる」

 黒岡の真横で下川信孝が薄笑いを浮かべて座っている。

「下川信孝殿はうつけ者の野々宮新八郎に見切りをつけ、我が軍にお味方くださった。その下川信孝殿からこの度はありがたき戦勝祝いをたまへき。皆の者に披露せんと思っておるが、その前に・・・」

 黒岡は正面の磔台に拘束されているありさ姫を指差した。

「今まで散々われらに煮え湯を飲ましおった野々宮新八郎・・あやつは死ぬれど我らの恨みはまだ晴れてはおらぬ。あやつの愛娘ありさ姫にはたっぷりとお返しをしてもらわねばならぬのぅ」
「で、いかなる策をお考えか・・・?」

 下川が底意地の悪そうな表情で黒岡を覗き込む。
 すぐさま黒岡は役人たちに大声で命令をくだした。

「ありさ姫の着衣をすべて取り去るのじゃ!」
「おお、何と!磔刑には白装束が決まりなるが、野々宮の愛娘には衣など無用とな!?それは面白い!」

 下川は手を打って喜んだ。

 直ぐに小者が梯子を磔台に架け機敏に駆け上がった。
 手には小刀を携え、いとも簡単に白装束の帯が絶ち切られ、続いて胸元から袖に掛け衣が散り散りに切り裂かれてしまった。
 一旦は死を覚悟していたありさ姫ではあったが、突如襲い掛かった思いもよらぬ恥辱に悲痛な声をあげた。

「ひぃ~~~!!せめて!せめて一枚の衣だけは着せてくだされ!後生です!お願いです!辱しめるぐらいならひと思いに槍で突き刺したまえ!!」
 
 白装束はぼろ切れと化し、はらりはらりと地面へと舞って落ちた。
 ありさ姫の身体を覆うものすべてが取り去られた瞬間、観衆から大きなどよめきが巻き起こった。
 それはありさ姫が全裸にされてしまったことだけが理由ではなった。
 それ以上に観衆を仰天させたのはありさ姫の秘所であった。
 本来乙女の花園を包み隠すように、たとえわずかでも繁っているはずの若草がすべて除去されてしまっていたのである。



第三話“恥辱の磔台”

 観衆のどよめきはすぐには収まらなかった。
 それもそのはず、敗れたとはいっても一国の美しい姫君が一糸まとわぬ姿で縛られ今まさに処刑に臨もうとしており、さらには本来あるべきところに大切な恥毛がないと来れば、誰しも驚いて当然であった。

「おおっ、なんと!あのお姫様“かわらけ”ではないか?」
「ほんとだ!つるつるだ~!大事な場所に毛が生えてねぇぞ」
「もしかしたらお役人に剃られてしまったために毛がないのではないか!?」
「うんだうんだ。おれもそう思う。見た感じでは17、18ぐらいだし、毛無しというのも妙だからな~」
「それにしても、あのくっきりとした縦線、ううっ、たまらないね~」
「おれの女房のように黒ずんでねえし、ふぁ~生娘はたまらないなあ~」
「きれいな桜色したべっちょだねえ。うっとりするよ~」
「それにしても素っ裸にひん剥かれてどうされるんだんべい?」
「裸のまま槍でぐさり・・・じゃねえのか?ああ、可哀相に・・・」
「んだら何も裸にひん剥くことはないのにね」
「きれいなお姫様なのにもったいないねぇ」

 観衆の中には当然幼い子を連れた母親の姿も混じっていた。

「かあちゃん、あのおあねごちゃん、裸だ」
「これ、あんまり見るでねえ。さあ、帰るぞ」

 母親はありさ姫を眺めている子供の腕を引っ張り、そそくさとその場を立ち去ろうとしていた。

 この日、ありさ姫にはもう一つの不幸があった。
 当時同じ磔刑と言っても、男性と女性とでは磔台の構造が少しだけ異なっていた。男性を磔刑にする場合は磔台を『キ』型に組み上げ、両手両足を広げた形で縛りつける方法がとられていた。それに対して女性の場合は磔台を『十』の型に組み上げ、股を広げられることはなかった。これは死に行く女性へのせめてもの配慮がなされた証であろう。
 ところが、今回ありさ姫に用いられた磔台は男性用の『キ』型であった。これは前代未聞の出来事であった。
 実は前夜、黒岡と下川が密談を交わし、ありさ姫が死ぬ直前まで徹頭徹尾辱めようという非情なる約束がなされたのであった。

 はじめ磔台に固定された時は両足は揃えて十文字に縛られたが、黒岡の号令一下小者が磔台に駆け寄り両足の縛めはいったんは解かれたが、両足は約四十五度の角度に拡げられすぐさま新しい縄で固定されていく。
 これにはありさ姫も狼狽した。

「くっ!何をするのじゃ!やめろというに!!」

 先程まで両足を揃えていたため女陰は辛うじて縦線の形状を保っていたが、大きく開脚されてしまったために亀裂はぱっくりと割れ、まだ誰にも見せたとのない内部の肉襞までもさらけ出してしまった。
 うら若き女性が全裸で処刑されるというだけでも耐えがたいことなのに、そのうえ陰毛はすべて剃られてしまい、さらには観衆の前に秘所の内部までさらけ出さねばならないと言う屈辱。
 ありさ姫の苦しみはいかばかりであろうか。
 処刑される直前までなぜこれほどの辱めを受けなければならないのだろう。
 ありさ姫は口惜しさに打ち震え涙を流した。
 世間の娘達よりも気位が高く、しかもいまだかつて男性と肉体的な契りも結んだこともない。
 そんな清廉無垢なありさ姫にとっては死ぬより辛い過酷な刑であった。

 身体の隅々まで観衆に見られている・・・
 透き通るような白い肌に突き刺さる視線・・・
 それは好奇に満ちた視線・・・邪悪な視線・・・
 目のやり場がない苦しみ・・・

「ううっ・・・み、見ないでください・・・恥ずかしき・・・」

 今消えてしまえるならすぐにでも消えてしまいたい。
 白い肌は羞恥のため真っ赤になっている。
 ありさ姫は悲しげに嗚咽をもらした。

 黒岡は羞恥に打ちひしがれているありさ姫に対しさらなる追い討ちをかける。

「愚将野々宮新八郎の娘だけあって、実に嫌らしい身体をしておるのう~。わっはっはっはっは~!皆の者!この淫乱なる姫の身体を処刑前に頭の先から尻の穴までしっかりと目に焼きつけておくがよいぞ!」
「くっ!おのれ~黒岡めっ!!私だけならまだしも父を愚弄するとは持っての他!!この身死すれどもゆめ許しはせぬぞ!!」
「ふん、ほざけ!!」

 そこへ下川が口を挟んだ。

「黒岡殿、ありさ姫を淫乱呼ばわりするのはいささか可哀想ではござらざるや?」
「いかでじゃ?」
「聞くところによると姫は未だ生娘とか」
「がっはっはっはっは~!ふむ、確かに、昨夜、剃毛を行いし役人どもの話によると姫は違わず生娘なりと言っておったのう。男を知らぬまま冥土に行かねばならずとは哀れじゃのぅ」
「ふむ、それは不憫でござるのう。黒岡殿、では例の品をぜひ使いたまえ」
「おお、そうなりし、そうなりき。下川殿より頂戴せし祝いの品をこれへ持ってまいれ」

 黒岡が合図を送ると、家臣が白い絹に包んだ長尺物を大事そうに運びこんできた。
 長尺物は丈がおよそ十尺(3M)ほどあった。
 黒岡がうなづくと家臣は白い絹を取りのぞいた。
 そこに現れたのは一本の立派な槍であった。



第四話“飴色の張形”

「これは・・・!」

 黒岡は槍を目にして驚愕した。
 槍は柄に細かな彫り物が施してあり見るからに高価な槍であることはすぐに分かったが、それ以上に黒岡を驚かせたのは槍の穂先であった。
 本来ならば、穂先には尖った刃が取り付けられているものだが、刃はなく代わりに男根を模した飴色の張形が埋め込まれていた。

「穂先に取り付けてあるものは、もしや張形ではあるまいか?」
「そのとおり。奥方が泣きて歓ぶ張形でござる」
「ほほう、これはこれは、ありがたきものを」

 黒岡は下川の意図を悟って淫靡な笑みを浮かべた。
 下川はさらに誇らしげに言葉を続けた。

「張形とは言ってもいずこでもあるような代物ではござらず」
「ほう、ではいったいいかなるもので?」
「専門の職人を呼び寄せて鼈甲(べっこう)で作らせたものでござる」
「なんと、鼈甲とは!?さる高価な物でできておるのか」
「鼈甲は硬いが実に滑らかなる良き感触をしておってのぅ。あんな物で責められせば女はひとたまりもなかろうて。はっはっはっ~」
「では早速、磔台の姫君に試してみようかのぅ」
「ぜひに。ただしありさ姫はまだ初心と聞き及ぶが」
「取調べ役人の話ではそのようなるが、それが何か?」
「ふむ。いかに滑らかな鼈甲製の張形といえども生娘にはさぞやきつかろう。そこでもう一品よきものを用意つかまつりき」
「ほほう、よきものとな?」

 下川は配下の家臣に合図を送った。
 家臣は後方に置いてあった壷を重そうに抱えて、黒岡の面前に差し出し深々と頭を下げた。

「うん?なんじゃ?」

 黒岡が壷の中を覗いてみると、水飴のようにどろどろとした琥珀色の液体が入っているのが見えた。
 黒岡は下川に尋ねた。

「これはいったいなんじゃ・・・?一見飴のごときが」
「これは、数種の素材を混ぜ合わせ作りし媚薬でござる」
「び、媚薬とな!?」
「大きな声では言えぬがのぅ、聞くところによると、山芋とズイキが主成分で、他にスイカズラ、百合の花蜜、ガマの油、マムシ酒、虎の睾丸を少量混ぜておるそうな。くっくっくっ、これを女陰に少量着くるのみで、女は身体がほてり、吐息が熱く、激しく渇望が現れるらしい。生娘なれども淫乱女に変身する神薬じゃ。くっくっくっ」
「そうか、それはたのしみじゃ。では早速これを使ってありさ姫を責めてみようぞ。あの毅然とせし態度のありさ姫がいかに変わるか楽しみじゃのぅ。はっはっは~」

 黒岡は家臣を呼び寄せ、ありさ姫に対して献上品の槍と媚薬を使用するよう命じた。
 家臣はすぐに処刑執行役人を呼び、何やら耳打ちをした。
 垣根の向こうにいる観衆はそんな内情など知るよしもなく、なかなか処刑が行なわれないためざわつき始めていた。

「処刑が手間取っているようだがどうしたんだんべい?」
「殿様同士が何やら話されている様子だが、何を話されておるのか、遠くて分からないよ」
「ん?執行役人が動き出したぞ。そろそろ始まりんだな」

 執行役人の一人が献上品の槍を握り、ありさ姫の前方に立った。
 左手には例の壷が置かれている。
 執行役人は壷の中に槍の穂先を差し込んだ。
 どろりとした液体が穂先に絡みつく。
 執行役人は数回かき混ぜた後、穂先を空に向けた。
第五話“紅き御印”

 槍の穂先からはどろりとした琥珀色の液体がしたたり落ちる。
 静かに瞳を閉じて覚悟を決めていたありさ姫であったが、槍の先端の異変に気づき思わず目を見開いた。
 鋭く尖った金属で出来ているはずの槍の穂先が、どういう訳かまるで亀の頭のような奇妙な形に変わっているではないか。
 生まれて此の方十八年、男女の営みを知らないばかりか、いまだかつて一度も男根を目にしたことがないありさ姫にとって、目前の物体がどれほど女体を歓喜狂乱させる性具かということなど知る由もなかった。
 しかしその奇妙な穂先が、まもなく我が身に何らかの禍をもたらすであろうことは、世間知らずのありさ姫でも容易に想像がついた。

 槍の穂先が尋常でないことをいち早く気づいたのはむしろ観衆であった。

「な、なんと!穂先がでっかい張形に変わってるではねえべか!?」
「張形って何か?女を責めるときに使うあれのことか!?」
「まさか、あの穂先でお姫様の女陰をこねまわすつもりではねえずら?」
「いや、そのまさかではねえか!?」
「す、す、すごいことになりんだぞ!」
「本物の槍で突き刺すよりこりゃ見ものだぞ~!」
「あのきれいなお姫様のお姿をみちっと目に焼きつけておけば、この一年せんずりねたには困らないや」

 血気に逸る男衆や脂ぎった男衆はいつの間にか最前列に陣取り「やいのやいの」の大騒ぎとなっていた。
 中にはあまりの興奮に股間をもっこりと膨らませる若者の姿もちらほらと。
 一方婦人や子供たちの大部分は目の毒とばかりに、いつの間にか刑場から姿を消していた。
 
「ではお覚悟を!」

 次の瞬間、あろうことか執行役人はありさ姫の股間に向けて槍を構えた。
 磔刑は脇腹を狙うのが常道とされている。
 武将でなかろうとも一国一城の姫君であればそれぐらいのことは分かる。
 穂先があらぬ方向を向いていることに気づいたありさ姫は思わず表情をこわばらせた。

「いったいどちらに穂先を向けておるのじゃ!?」

 執行役人がにやりと笑って答えた。

「穂先の向きをご覧になればお分かりではござらざるや?ふっふっふ、姫の女陰でござる」
「な、なんと無体な!それは絶対に許しはべらずぞ!!」
「親方様の命令でござる。諦めなされ!」
「くっ!黒岡め~~~!!私をいづこまで辱めれば気が済むのじゃ~~~っ!!」

 黒岡は目を吊り上げて震怒するありさ姫に目をやることもなく、扇子を仰ぎ薄笑いを浮かべているだけであった。

「親方様、あの姫かなりの悪態をついておりますが、あのままにしておいてもよろしいのでござりましょうや?」
「ふむ、放っておけ。さような無駄口を叩いていられるのももうわずかじゃからのぅ。ぐふふ・・・」

 ふたたび執行役人が狙いをさだめる。
 武将たちや観衆はうら若き姫君が前代未聞の淫靡な刑に処せられる様子を固唾を呑んで見守った。

「ではご免!!」

 執行役人の声が高らかに轟き、飴色の穂先がきらりと光った。
 次の瞬間、桃の割れ目のような秘裂に張形の先端が挿し込まれた。

「あっ、ひっ、ひい~~~~~っ!!無念じゃぁ~~~~~!!」

 執行役人が握る槍に力を込める。
 穂先がさらに食い込む。

「ぎゃぁ~~~~~~~~~~~~~っ!!!!!」

 身を切られるような破瓜の痛みがありさ姫を襲った。
 歯を食いしばり顔をゆがめるありさ姫。
 しかし秘裂にはまだ飴色の先端が一寸ほど入ったに過ぎない。

「ううむ、さすがに処女の女陰は窮屈じゃのぅ」

 執行役人は唇を真一文字に結びながら、わずかに食込んだ張形をさらに奥へとねじ込んだ。

「うぐっ!!む、無体なる~~~~~~~~~~~!!」

 破瓜の紅き印が秘裂からしたたり、雪のように白い太股を染めあげた。
 観衆からどよめきが巻き起こった。
 一国の姫君がよもや敵の張形槍によって処女を奪われるとは、果たして誰が想像しただろうか。

「うわぁ!お姫様おばこだったんだ!」
「そりゃ当たり前でねえか」
「男も知らないまま気の毒にねえ」
「これは見てらんにゃいね・・・かわいそうになあ・・・」
「いやいや、こんな刑罰はめったに見らんにゃいから、よく見ておかないと損だよ」

 執行役人はいったん槍を抜きとり媚薬の壷に穂先を浸けてかき混ぜる。
 どろりとした液体を滴らせながら再び穂先は秘裂を襲った。

「ううっ・・・お、おのれぇ・・・口惜しや・・・」
「ふふふ、先程より滑らかになったようじゃのぅ」

 執行役人はひとりつぶやき穂先を秘裂にぐいぐいと押し込んでいく。

「うううっ・・・なりませぬ、やめて、やめてたも、いやっ!あうう~っ!」

 太い張形を咥え込んだ花弁はあわれにもぱんぱんに膨れあがっている。



第六話“花芯のほてり”

 現在槍を操っている執行役人に、待機中の役人が話しかけた。

「力を入れ過ぎて姫を殺めるでないぞ。『時をかけてゆっくりといたぶるものとし、あやまって臓腑を突き破ることなきように』との親方様からのご命令じゃからのぅ」
「承知しておるわ。間違いて殺めてしまえば元も子もないからのぅ。姫君にはじっくりと愉しんでもらわねばのぅ」
「それにしてもかかる美しい姫君の女陰を、張形槍で突き回すことになるとは夢にも思わざりきな。それがしも執行役人のお役目を頂戴して久しきがこのようなる刑は初めてじゃ」
「それがしとても同じ。血生臭い刑よりずっとありがたいお役目じゃ」
「なお望めるならば我が肉槍を挿し込みたいものじゃがのぅ」
「しっ、声が大きいぞ。殿の耳に入っては拙いぞ」

 陶器のような白い肌、ほどよい大きさの乳房、見事にくびれた腰の線、適度な肉付きの太股、さらにはきれいに剃り上げられた小高い恥丘、いずれをとっても非の打ち所がないありさ姫の麗しき肉体。
 それだけでも十分に衆目に値するのだが、そのうえ美姫の毛を失い生々しい柔肉の割れ目に穂先が食い込む光景を観衆は食い入るように見つめた。

「うう・・・」

 刑の執行が進むにつれて、ありさ姫の表情にわずかな変化が訪れていた。
 最初は破瓜の痛みもあって顔を歪ませていたありさ姫であったが、媚薬は治癒効果もあるのか次第に苦しそうな表情は消え去り、頬にうっすらと薄紅が差していた。
 かすかではあるが肉体の奥からふつふつと沸き立つ不思議な快感が、徐々にありさ姫を支配し始めていた。

(あぁ・・・いかで・・・?身体が燃ゆるように熱き・・・。それにこのむず痒いようなる感覚・・・はて、これはいったいどうしたというのじゃ・・・?)

 身体の痒みとほてりは、張形に塗り込められた媚薬が次第に効果を現したことによるものであったが、そもそも媚薬の効果など知らないありさ姫は身体の異変が媚薬によるものだとは知る由もなかった。
 次第に芽生えくる肉の歓びに疑念を抱きつつも、その気配を他人に悟られないようにと懸命に耐えていた。

「あぁっ・・・」

 張形を介して膣粘膜に塗り込められた媚薬は体内へと沁みこんでいき、ありさ姫の肉体を歓喜の渦中へと巻き込んでいった。

「あっ・・・あぁ、熱い・・・」

 ありさ姫の唇から最初にこぼれ落ちた言葉は、身体の熱さを訴える言葉だった。
 少量塗布するだけでも十分に効果を発揮する媚薬を、秘部内外に隈なく塗り込められたありさ姫が平然としていられるはずがない。
 身体が燃えるようにほてり出すばかりか、秘部が激しく痒くなる特徴があった。
 その兆候は早くも現れ、熱さを訴えるばかりか、次第に息遣いも荒くなっていた。
 執行役人が突きこむ槍に対して、ありさ姫はわずかだが腰を震わせうめきをもらした。

 刑の執行を見守っていた黒岡源内は淫靡な微笑を浮かべたあと、執行役人に対して突如刑の中断を命じた。

「しばし槍責めをやめい!」
「ははっ!」

 ありさ姫を責めていた執行役人の動きがぴたりと止まり、女陰に挿し込まれていた槍はそっと引き抜かれた。

「そろそろ薬が効きて来たようじゃな。痒くて堪らなくなると聞き及ぶよし、槍使いは一休みして眺めてみるもおかしぞ。皆の者、姫がよがり狂うを見物しようではないか。そのうち槍で女陰を挿してくれとすがるはずなれば。がははははは~」
「ははっ!御意!」

 執行役人は槍を抜いた後、後方に下がりありさ姫を見上げた。
 その光景はまるでもぎたての水蜜桃の割れ目から、紅いうしおがぽたりぽたりとしたたるようで、不思議な艶やかさが漂っていた。

 奇抜で淫猥な前代未聞の処刑方法に観衆はただ呆然とするばかりであった。
 中には、竹の柵にしがみつき目を爛々と輝かせて食い入るように見つめている男もいた。

「すげえ・・・こんなすごいものを見せられたら、おれ、こんにゃ悶々として眠れないよ」
「ところで刑はもう終わったのか?槍のお役人さんが休んでいるが」
「おい!お姫様を見てみろ!なんかずうたいをもじもじさせ始めたぞ。いったいどうしたんだんべい?」

 浪人風の男が村人たちの疑問に答えた。

「あれは媚薬のせいじゃ」
「ん?媚薬だと!?お武家様、そりゃ本当か!?道理でお姫様の様子が変だと思っただぁ」
「それも並みの媚薬ではなさそうじゃ。この先、目を放すではないぞ。とんでもないことになりそうじゃ。がっはっはっ」



第七話“媚薬とのいくさ”

 男の言葉は的を得ていた。
 秘裂から槍が引き抜かれた後も身体のほてりは治まるどころか、逆にひどくなり「熱い、熱い」と訴え続け、観衆からも一目で分かるほど息遣いが荒くなっていた。
 さらに、陰部の痒みは尋常なものではなく、もし今磔台に拘束されていなければ体裁構うことなく掻きむしりたいほどであった。
 全裸で腰をもじもじさせ懸命に痒みに耐えるありさ姫の姿が、黒岡たちの偏執じみた加虐心をひときわ煽った。
 ありさ姫は苦悶の表情を浮かばせ、その白い肌には珠のような冷汗を滲ませていた。

「あぁ・・・あっ、あっ・・・ああっ・・・」

 黒岡は床机から立ち上がり磔台近くまで歩み寄ると、痒みに耐えるありさ姫にわざと大声で尋ねた。

「姫よ、もしかしていづこか痒いのか?」
「ううっ・・・うぐぐっ・・・」

 ありさ姫は憤怒と恨みの形相で黒岡を睨みつけた。

「いづこが痒いのか言ってみよ」
「くっ・・・・・・」
「首か?背中か?痒いところを言ってみよ。処刑中ではあるが姫のことなれば格別に役人に命じて掻いてやっても良しぞ」
「いづこも痒くなどなしな」
「ふふふ、本当にそうかのぅ?あまりに腰をくねらせるものなれば女陰でも痒くなってきしやと思ったがのぅ。違っておったか。わはははは~」
「うううっ・・・」

 やがて媚薬はさらなる効果を発揮し始めた。
 ありさの額にあぶら汗が光る。

「ううっ・・・か、かゆい・・・・・・」
「ほほう、ついに痒いと申したな?もう我慢しきれなくなってきたか。姫、もう一度尋ぬ。いづこが痒いのじゃ?」
「くっ・・・さることは申せぬ・・・」
「正直に言ってみよ。女陰ならざるや?」
「ううう・・・うぐっ・・・か、かゆい・・・」

 ありさ姫の腰の振り方が先程より激しくなってきた。
 もう我慢の限界なのだろう。

「ひぃ~~~!!か、かゆい・・・!!ううう~~~~~~~!!」
「はっはっは~、かなり薬が効きて来たようじゃのぅ。ありさ姫、女陰が痒くて堪らなくなってきたのじゃろう?」
「ああっ・・・いったいあの壷に・・あの壷にいかなる薬を入れしや・・・?」
「それは良き質問じゃ。壷の中の薬とは、わずか塗るのみで激しき痒みをもよおし、やがては男が欲しくて堪らなくなるじゃ。わははははは~~~」
「お、おのれ!黒岡めぇ・・・卑怯なる真似を!」
「ほざけ!恨むならば無能なうぬの父を恨むべし!」
「それは聞き捨てならぬ言葉!父の悪口は許しはべらずぞ!」
「さして大口を叩いていらるるもあとわずかじゃ。まもなく『女陰を擦って欲しき』と泣きて頼むじゃろうて。ほえ面が楽しみじゃあ!がははは~!」
「くっ!なんと無礼な!卑劣なる男め!」

 散々辱めの言葉を並べ立てた黒岡は、すたすたと元の床机のある方へと戻っていった。

 ありさ姫の身体に媚薬による新たな変化が現れ始めていた。
 ほてりが更にひどく燃えるように熱くなり、更には花芯がびっしょりと濡れそぼり、痒みと相まって肉壷を掻き毟りたいような心境に陥っていた。
 それでもありさ姫は歯を食いしばって必死に耐えた。
 誇り高き自尊心がありさ姫を懸命に耐えさせたのだった。
 それでも激しいほてりと痒み、それに強い性欲は怒涛のように押し寄せありさ姫を苦しめた。

「うううっ・・・くぅっ・・・!あ、熱い!か、かゆい!ひぃ!うぐぐぐぐぐっ・・・!!」

 その頃、柵の向こうが興奮の坩堝と化していた。
 ありさ姫のあられもない姿に鼻血を垂らしてぶっ倒れる若者から、大勢の前だというのに褌の紐をほどき怒張した肉竿をしこしこと擦る者まで現る始末であった。

「うわ!汚ねい!こっち向いて擦るなよ!」
「こらぁ!おらにぶっかけるとぶっ殺すぞ!」

 大笑いする者、嘲笑する者、眉をひそめる者、逃げていく者・・・
 ぴんと張りつめた緊張の糸がほんの一瞬だがぷつりと切れ、刑場とは思えないような穏やかな空気が流れた。59

 だがそんな空気もありさ姫がもらす悲痛な声にすぐにかき消されてしまった。
 観衆の目は再びありさ姫に注がれた。

「痒みと疼きが続くとどうなるんじゃ?」
「んだな、おらにはよく分からんが、狂い死にするんじゃねえべか?」
「そうか。かわいそうになあ」
「あんなきれいなお姫様に『べっちょ掻いてくれ』と頼まれたら、おら何をおいても絶対にえぐよ」
「わっはっはっは~、そりゃ、おらも同じだべ」
「おらぁ、あのお姫様がだんだん哀れに思えてきた・・・」
「んだなこというと役人にしょっ引がれるぞ」
「だけど何で今槍責め休んでるんだんべい?」
「挿し込まないで放置しておく方がかえって堪えるからではねえべか」

 そんな観衆のざわめきをよそに槍責めが続行されようとしたとき、再び黒岡が立ち上がった。

「おい、余にその槍を貸せ」
「はっ?ははぁ!」

 執行役人は思いも寄らない城主からの下知に一瞬戸惑いを見せたが、すぐさま張形の着いた槍を黒岡に手渡した。



第八話“地獄槍”

「うぬは槍使いの名手なるが『女泣かせの槍使い』には程遠しな。余が手ほどきを見せてやればよく見ておけ」
「はっ!御意!」

 黒岡はそう告げると穂先を媚薬の壷に浸け、ぽたぽたと滴らせた槍をありさ姫の股間に向けた。
 ありさ姫は激しい痒みと劣情に苛まれ腰をなまめかしく動かしている。
 もしも手足が自由になるならば、人目はばかることなく秘所を掻きむしりたい心境であった。

「ふふふ、ありさ姫よ、痒いか。槍で穴を掻き回してくれと余に頼んでみるや?ぐふふふふふ・・・」
「くっ!あだごとが過ぎるぞ!」

 本音は茄子でも胡瓜でも構わない、とにかく花芯にものを押し込み激しく擦って欲しい。
 痒みと劣情の辛さはそれほどまでに深刻で、ありさ姫を苦悶の淵に追い詰めていた。
 だがそのような破廉恥なことを父を殺した敵国の城主に懇願できるはずがない。
 姫としての誇りと乙女としての恥じらいがそれを阻んだ。

「痒いのはこの辺かのぅ?」

 黒岡はわざと穂先を痒みの壷に挿し込むことを避け、草むらが刈り込まれて丸見えになっているさねをぐりぐりと擦った。
 粘膜であるさねにも媚薬が付着し疼きが半端ではなくなっている。
 ありさ姫は火がついたようにいっそう激しく身体をくねらせた。
 
「あぁっ!そこはぁ・・・!あっ、あっ、あっ!ああっ~~~・・・!!」

 花芯が燃えるように熱くほてり、激しい痒みに苛まれている最中、さらに追い討ちをかけるようにさねを擦られたありさ姫は狂ったように身悶えした。

「ぐふふふ・・・ここか?ほれほれ、ほれほれ」

(グリグリグリ、グリグリグリ)

「ひぇ~・・・や、やめて・・・ご、後生じゃ・・・あああっ~・・・そんな無体なぁ~・・・なぶるならばいっそのこと殺したまへ!!」

 黒岡が槍を操りありさ姫が叫喚する様を、下川や家臣たちは言葉を失い呆然と見つめていた。
 観衆も淫靡で扇情的な光景を固唾を飲んで見守っていた。

「ぐふふふふ・・・いじめるのはもうやめるとするか」

 黒岡はそうつぶやくと、穂先を壷の中に深々と浸し、ぽとぽととしずくの垂らしながら再び秘裂に向けて構えた。

「少し楽にしてやろう」

 黒岡は夭桃を思わせるありさ姫の秘裂に穂先をずぶりと突き刺した。

(ずぶりっ!)

「うぐぐっ!!」

 ありさ姫は堪らずうめき声をあげた。

 穂先はまるで男根のように抽挿を繰り返した。

(グッチョグッチョグッチョ・・・グッチョグッチョグッチョ・・・)

「ふぁぁぁぁぁ~~~~~~~~~~!!」

(グッチョグッチョグッチョ!グッチョグッチョグッチョ!)

「あぁぁぁぁぁ~~~~~~~~~~!!ひぇぇぇぇぇ~~~~~~~~~~~!!」

 傍で待機している執行役人たちもありさ姫の乱れぶりに唖然としている。

「す、すごい・・・」
「あの慎ましやかなる姫君とは思えざるほどの乱れぶりじゃ・・・」
「あぁ、いかん。こちらまで昂ぶってきたり」
「いやぁ、それがしとて同じじゃ」

 疼く花芯を張形で擦られたありさ姫は、無念の表情の中にかすかに安堵の表情を浮かべた。
 それはほんの一瞬の出来事であった。
 観衆は目敏くその瞬間を見逃さなかった。

「おおっ、あのお姫様、城主様にかっこわり場所を槍で突かれているのに喜んでいるではねえか。かなりの助平だべ」
「おめえも見たのか。おいらもちゃんと見たぞ。それにしてもすんごい場面だなあ」
「こんな処刑初めて見るだべ。ちゃんと目に焼きつけておかなければもったいねえ」

(グッチョグッチョグッチョ!グッチョグッチョグッチョ!)

「くぅ~~~~~~~~っ!!いやっ!!もう許したまへ!!」
「痒みが取れしかばもう槍は無用と言うや?ははは~、これは刑じゃ、姫の思うようにはならずぞ」

(ズッチョズッチョズッチョ!ズッチョズッチョズッチョ!)

「あぁっ!!あぁ、もうやめたまへ!!後生にはべる~~~~~~~!!」



第九話“夕陽の彼方”

 繰り返し壷に浸された穂先は、水飴のような液体を滴らせながらありさ姫の女陰を何度も襲った。

「ひぃ~~~~~~~~~~!!ぐわぁぁぁぁぁ~~~~~~!!!!!」

 男根であればいかに精力絶倫な男が長丁場に及んだところで、最後は必ず発射という終幕がある。
 ところが無機的な張形の場合は操る者がやめない限り終焉がない。
 槍をさばく人間が中止を意識しない限り延々と続くことになる。
 淀みない快楽の連続に、ありさ姫は何度も絶頂に達した。
 そして過酷な絶頂の連続に何度も失神した。
 失神しても水を掛けられて、正気へと戻されてしまう。
 そして引続き激しい槍攻撃を浴び、快楽の波間をさまよう。
 槍の使い手はいつのまにか黒岡から最初の執行役人に代わっていた。
 黒岡から「生かさず殺さずの“女陰槍”」を伝授された執行役人たちは、いつしか巧みな槍さばきを見せていた。
 繰り返し絶頂に達し、ありさ姫の恥じらい、奥ゆかしさ、そして理性は粉々に崩壊しようとしていた。

 やがて陽が西に沈み夜のとばりが下りても、執行役人が交代しただけでありさ姫への槍責めは続行された。
 刑は間断なく一昼夜行なわれ、翌日も刑は引き続き行なわれた。
 磔という過酷な姿勢と絶頂の繰り返しによる体力の消耗は想像を遥かに超えていた。
 水や食物も与えられず、睡眠もままならず、ありさ姫の肉体は次第に衰弱していった。
 薄れ行く意識の中、今は亡き父や母そして弟の姿が浮かんでは消えていった。

(父上さまぁ・・・母上さまぁ・・・ありさはもう限界です・・・・・まもなくお傍にまいります・・・・・・景勝・・・あとを、あとを頼みますぅ・・・・・・)

 磔刑は三日目を迎え、その日もすでに夕方になっていた。
 すでにその場には黒岡や下川の姿はなく、観衆の影もまばらになっていた。
 執行役人はありさ姫の様子が急変していることに気づいた。
 ありさ姫はうな垂れて、目を閉じていた。
 それは実に静かな幕切れであった。
 ありさ姫の死は、すぐに執行役人から黒岡源内へと伝えられた。

 ありさ姫の陶器のような白い肌は夕陽を浴びた赤く染まっていた。
 苦しみから解放されたありさ姫の表情は、穏やかでやさしいふだんの表情を取り戻していた。
 十八才にして儚く散った若い命を惜しむかのように、梢に止まった烏が悲しそうに鳴いた。





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